アメリカのSpaceX(スペースX)社は日本時間2026年7月25日、開発中の再使用型ロケット「Starship(スターシップ)」による第13回飛行試験を実施しました。

ペイロード放出とエンジン再点火のテスト後にインド洋へ着水
アメリカ・テキサス州のStarbase(スターベース)から日本時間2026年7月25日7時51分(アメリカ中部夏時間2026年7月24日17時51分)にリフトオフしたStarshipは、約2分22秒後頃に1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」ブースターと2段目のStarship宇宙船が分離(※リフトオフからの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)。リフトオフから約8分05秒後にはStarship宇宙船がエンジンを停止して、軌道到達に成功しました。
慣性飛行中のStarship宇宙船は、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」用の第3世代衛星「Starlink V3」20機の放出テストと、6基のエンジンのうち1基を宇宙空間で再点火するテストに成功。リフトオフから約1時間05分20秒後にはインド洋へ着水して飛行を終えました。
なお、これまでの飛行試験では着水後のStarship宇宙船は爆発で機体を喪失していましたが、今回は横転後も爆発せず、洋上を漂流する様子が中継されました。
分離後のブースターの飛行は前回から改善
今回の飛行試験は、2026年5月に実施された第12回飛行試験に続き、アップグレードされた第3世代Starshipによる2回目の飛行となりました。Super Heavyブースターに搭載される33基のエンジンと、Starship宇宙船に搭載される6基のエンジンは、すべて新型の「Raptor 3(ラプター3)」に変更。Super Heavyはグリッドフィンの形状・数・取り付け位置が変更され、Starship宇宙船にはドッキング用のハードウェアも搭載されています。
前回の第12回飛行試験では、Super Heavyブースターがメキシコ湾への軟着陸に至らず、Starship宇宙船もエンジンの1基が停止した状態での飛行になるなど、いくつかのトラブルが起きました。
対策が行われた今回の第13回飛行試験では、Starship宇宙船はすべてのエンジンが稼働した状態で軌道到達に成功し、慣性飛行中のエンジン再点火テストも実施されました。
一方、Super Heavyブースターは分離直後のブーストバック燃焼に成功し、制御を保った状態でメキシコ湾に降下したものの、着水前の着陸噴射では一部のエンジンが点火できなかったとみられ、やや速い速度で海面に到達した模様です。
ミッション全体としては、Super HeavyブースターとStarship宇宙船の両方が上昇燃焼を終了。ブースターは飛行終盤のエンジン再点火に課題を残したものの、制御された海面到達に成功。宇宙船は第3世代Starlink衛星20基の放出とエンジン再点火テストを実施した後に、インド洋への着水に成功、となりました。
特に印象的だったのは、飛行を終えたStarship宇宙船の機体が初めて失われずに残存した点です。航空機並みのハイペースでStarshipの運用を構想しているSpaceXは、耐熱タイルの改良にも力を注いでいます。大気圏再突入後のStarship宇宙船を無傷で回収できれば、機体の部位ごとの損耗などについて、より詳細な知見が得られると思われます。
Starship第13回飛行試験については、SpaceXから新しい情報が発表され次第お伝えします。
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文・編集/sorae編集部
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