
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、赤色巨星の外層大気を突き進む白色矮星を描いた想像図です。
画像の右上で白く輝いているのが白色矮星です。恒星の進化を経て残された高密度の天体で、大きさは地球ほどしかありません。その白色矮星を包み込むように赤く広がっているのが、赤色巨星の外層大気です。画面下に弧を描く赤い部分は、赤色巨星の表面を表しています。
白色矮星はすでに赤色巨星の外層大気へ入り込み、その中を高速で移動しています。進行方向に立ちはだかるように見える白い弧は、「弓形衝撃波」と呼ばれる構造です。水面を進む船の前方に波が広がるように、白色矮星が周囲のガスを押しのけることで形成されます。
白色矮星の後方には、移動によって生じた長い尾が伸びています。さらに、赤色巨星の表面から引き上げられたガスが、太い流れとなって白色矮星へ向かっています。小さく高密度な白色矮星が、赤色巨星のガスを引き寄せながら、その内部を進む様子を描いた想像図です。

白色矮星に残されていた合体の痕跡
この画像は、星同士の合体で形成されたとみられる白色矮星「WD 0525+526」に関する研究成果にともない、2025年8月13日にESA/Hubbleから公開されました。
WD 0525+526は地球から約128光年先に位置しており、質量は太陽の約1.2倍と推定されています。白色矮星としては質量が大きく、「超大質量白色矮星(ultra-massive white dwarf)」に分類される天体です。
研究チームが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測装置「宇宙起源分光器(COS)」を使い、WD 0525+526を紫外線で観測した結果、この白色矮星の大気から、可視光の観測では見つけられないほど微量の炭素が検出されました。
単独の恒星から形成された白色矮星では、内部の炭素は水素やヘリウムの層に覆われています。ところが、星同士が衝突して合体すると、水素やヘリウムの層が燃焼したり失われたりする場合があります。その結果、白色矮星の内部にある炭素が表面近くまで移動し、スペクトルから検出できるようになります。
研究チームは、WD 0525+526から検出された炭素と、水素やヘリウムの層が非常に薄いという分析結果から、この天体は過去に起きた星同士の合体で形成された可能性が高いと考えています。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- ESA/Hubble|Merging white dwarf remnant
- ESA/Hubble|Hubble uncovers rare white dwarf merger remnant
- Nature Astronomy|A hot white dwarf merger remnant revealed by an ultraviolet detection of carbon










