
こちらは、NASA=アメリカ航空宇宙局の火星探査車「Perseverance(パーシビアランス)」が撮影した火星のパノラマ。NASAのJPL=ジェット推進研究所が2025年8月6日付で公開しました。


Perseveranceのミッション1516ソル目(※)にあたる2025年5月26日、サイエンスチームが「Falbreen」と呼ぶエリアにて、探査車のマストに搭載されているカメラ「Mastcam-Z」を使って取得された96枚の画像を合成することで作成されています。
※…1ソル(Sol)は火星の1太陽日(約24時間40分)。火星探査ミッションの経過時間を表すために使用されています。
頭上に広がる空は一見すると地球のようですが、空が青色なのはコントラストを強調するために色調が補正されているから。
次に掲載する自然色バージョンでは、赤茶色の大地の上に淡いオレンジ色の空が広がっています。


2024年12月にジェゼロ・クレーターの縁に到達したPerseverance。JPLによると、今回公開されたパノラマの中央奥には、65km離れた丘陵も霞む稜線として写り込んでいます。
また、中央右には弓なりに砂が堆積して波のような模様を描いている場所がありますが、そのすぐ脇にはまるでそっと置かれたような1つの岩が写っています。
Perseveranceから約4.4m離れた場所にあるこの岩は、地すべり、水、風などによって、別の場所からここまで運ばれたと考えられています。
ちなみに、中央左下には白っぽい色の粉末が飛び散ったように見える部分があるのですが、わかりますか?
これは、Perseveranceのアブレージョン(研磨)ビットで岩石を研磨した痕跡。風化した表面の下に何があるかを調べるための作業で、サンプルの採取を決定する前に行われています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部