スターリンク(Starlink)とは、アメリカの民間宇宙企業「スペースX(SpaceX:Space Exploration Technologies Corp.)」が提供する衛星インターネットサービスです。世界中の遠隔地に低遅延かつ高速のブロードバンドインターネットを提供しています。2022年末現在、45カ国の地域・国でサービスを展開しています。

日本では、2022年10月にサービスを開始しており、個人でも初期費用(導入に必要なハードウェアなど)と月額を支払うことでスターリンクを利用することが可能です。また、KDDIは一部地域でau通信網のバックホール回線としてスターリンクを使用する基地局の運用を2022年12月1日に発表するなど、衛星インターネットサービスがより身近になりました。

最大4万機以上の「スターリンク衛星」計画

【▲ 参考画像:Starlink v1.0(Credit: SpaceX)】

スターリンクは全世界にブロードバンドインターネット接続を提供する「衛星コンステレーション計画」として、2018年3月29日に連邦通信委員会(FCC)の認証を受けました。

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2018年のプロトタイプの打ち上げを皮切りに、2022年末現在で3000機以上のスターリンク衛星が軌道へ投入されています。なお、スペースXは、高度や傾斜角が異なる「シェル1」〜「シェル8」に分類された軌道へ約1万2000機(最大4万2000機まで拡張予定)のスターリンク衛星投入を計画しています。

・スターリンクミッション フェーズ1

グループシェル1シェル2シェル3シェル4シェル5
予定数15847203481584172

・スターリンクミッション フェーズ2

グループシェル6シェル7シェル8
予定数249324782547

・スターリンク衛星の種類

試作機:Tintin A、Tintin B
試験機:Starlink v0.9
運用機:Starlink v1.0、Starlink v1.5 ※2022年末現在
予 定:Starlink v2.0 ※投入予定の新型機。v1.0より大型化すると見られています。

スターリンクは天体観測に対して悪影響?

【▲ 参考画像:銀河団の前面に写り込んだスターリンク衛星群の光跡(Credit:ローウェル天文台)】

高度3万6000kmの静止軌道に投入される従来の通信衛星とは違い、地球低軌道を飛行する膨大な数の衛星で構成される「メガコンステレーション」は、景色としての夜空だけでなく、天文学の分野にも影響を及ぼすことが国内外で懸念されています。

人工衛星は機体や太陽電池などが太陽光を反射して輝きます。国際宇宙ステーション(ISS)のように単独で飛行している場合は1つの光点が飛んでいくだけですが、一度に50機以上が軌道に投入されるスターリンク衛星の場合、打ち上げ直後の衛星群が連なって飛行し、天体の手前を横切って多数の光跡を残すことがあります。

運用軌道に配置された後も、特に日の出前や日の入り後は衛星の反射光が観測の妨げになる可能性が指摘されています。スターリンクは比較的低い高度に構築されるので、衛星が地球の影に入る夜遅くの時間帯における影響は限定的かもしれませんが、衛星の飛行高度によっては日の出前や日の入り後の観測にも影響が及ぶ可能性が懸念されているのです。

スターリンクの悪影響を回避する方法は?

スペースXは一時期、スターリンク衛星に太陽光の反射を低減させるためのサンバイザー(日除け、サンシェード)を取り付けていましたが、スターリンク衛星間で行われるレーザー通信の妨げになることが判明したため、Starlink v1.5では取り外れされているとのことです。

国際天文学連合 (IAU) は、天体観測をスターリンク衛星に邪魔されないように、位置情報を事前に予測するサイトを用意しているといいますが、根本的な解決に至っていません。

Nature - ‘Unsustainable’: how satellite swarms pose a rising threat to astronomy(2022年5月)

現在のスターリンク衛星の総数と打ち上げ情報

※いずれも日本時間

2023年1月26日:スターリンク5-1(Starlink Group 5-2)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 56機追加
総数3773機

2023年1月20日:スターリンク5-1(Starlink Group2-4)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 51機追加
総数3717機

2022年12月28日:スターリンク5-1(Starlink Group 5-1)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 54機追加
総数3666機

2022年12月18日:スターリンク4-37(Starlink Group 4-37)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 54機追加
総数3612機

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2022年10月28日:スターリンク4-31(Starlink Group 4-31)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 53機追加
総数3558機

2022年10月20日:スターリンク4-36(Starlink Group 4-36)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 54機追加
総数3505機

2022年10月6日:スターリンク4-29(Starlink Group 4-36)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 54機追加
総数3451機

2022年9月24日:スターリンク4-35(Starlink Group 4-36)
ファルコン9 ロケット スターリンク(Starlink)衛星 52機追加
総数3451機

 

 

 

Source

  • Image Credit: SpaceX
  • SpaceX - Starlink
  • Starlink(Wikipedia

文/sorae編集部

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