【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

割れて、磨かれて。

アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第236週にあたる2025年8月23日に撮影された1枚です。

※…2025年8月23日はPerseveranceのミッション1603ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。

 

今回の画像では、パズルのピースのように割れた大きな岩が目を引きます。ほぼまっすぐな割れ目で切り分けられ、角は丸く、断面もなめらかです。画像の奥側には細かな砂が吹き寄せられ、火星の風の向きをそっと教えてくれます。

この岩は、もとは1つの大きな岩だったと考えられます。長い時間のうちに乾きで入ったひびが広がってブロックに分かれ、さらに風が運ぶ砂が表面を少しずつ削って角を丸めた可能性があります。気の遠くなるほどの歳月がつくり出した、火星ならではの「自然のアート作品」ではないでしょうか。

火星探査車Perseveranceとは

Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

火星探査車Perseveranceに搭載されている観測装置の位置を示した図。Mastcam-ZとSuperCamはどちらもPerseveranceのマスト、通称“ヘッド(頭)”と呼ばれる部分に搭載されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ 火星探査車Perseveranceに搭載されている観測装置の位置を示した図。Mastcam-ZとSuperCamはどちらもPerseveranceのマスト、通称“ヘッド(頭)”と呼ばれる部分に搭載されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

 

編集/sorae編集部

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