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ベテルギウスはいつ爆発する? オリオン座の赤色超巨星を徹底解説

オリオン座の左肩に輝く赤い超巨星「ベテルギウス(Betelgeuse)」は、地球から約550光年離れた位置にあり、将来的に超新星爆発を起こす可能性がある天体として注目されています。近年の観測では明るさの変動や表面活動に異変が見られ、「爆発はいつ起きるのか?」「すでに爆発して光が地球へ向かっているのではないか?」といった議論が世界中で交わされました。

ベテルギウスが超新星になる正確な時期は依然として不明ですが、天文学者たちは継続的な観測を通じ、その謎の解明を進めています。

  • 2025年の最新研究「ベテルギウスに伴星が存在する可能性」を追加しました(2025年8月)

 

ベテルギウスってどんな星?

ベテルギウスは、肉眼で見える恒星の中でも特に明るく、夜空で10番目に明るい恒星として知られています。日本では冬の夜空で観測でき、冬の大三角を形づくる一角として古くから親しまれています。

図1: オリオン座におけるベテルギウスの位置。(Credit: E. Slawik, NOIRLab, NSF, AURA & M. Zamani / 筆者(彩恵りり)により日本語を加筆)
【▲ オリオン座におけるベテルギウスの位置。(Credit: E. Slawik, NOIRLab, NSF, AURA & M. Zamani / (彩恵りり)により日本語を加筆)】

赤みを帯びた輝きが特徴のベテルギウスは赤色超巨星に分類され、その半径は太陽の約750倍に達すると推定されます。もし太陽をベテルギウスと置き換えると、その大きさは地球や火星の軌道をも覆い尽くすほどです。

名称ベテルギウス(Betelgeuse)
オリオン座α星(α Ori)
星座オリオン座
進化段階赤色超巨星
タイプ脈動変光星
距離約550光年

恒星内部で進む核融合と進化

恒星は自らの重力で内側へ引き寄せられますが、その崩壊を防いでいるのが中心核での核融合反応による放射圧です。ベテルギウスのように非常に重く大きな恒星では、核融合反応の進行が太陽よりもはるかに速く、水素は急速にヘリウムへと変換されます。

核融合が進むと中心核はヘリウム主体となり、やがて外層の水素でも新たな核融合が始まります。この熱エネルギーで外層が膨張し、恒星は巨大な赤色超巨星の段階へと進化します。最終的にヘリウムも燃え尽き、炭素など重元素の燃焼が進行した後、重力に耐えきれず中心核が崩壊し、超新星爆発が発生します。

ベテルギウスはいつ爆発する?

赤色超巨星ベテルギウスを描いた想像図
【▲ 赤色超巨星ベテルギウスを描いた想像図(Credit: ESO)】

現時点での結論として、超新星爆発が近い将来に起きる可能性は低いと考えられています。現在のモデルでは「今後10万年以内」に爆発する可能性が高いとされますが、短期的な予測は困難です。

内部の状態を直接観測することはできませんが、天文学者は外層の変化を精密に測定し、そこから中心核の状態を推測しています。

2019〜2020年の「大減光」とその原因

ベテルギウスは脈動変光星で、時間とともに明るさが変動します。2019年末から2020年初頭にかけて記録的な減光が発生し、「爆発の前兆では?」との憶測が広がりました。

しかし、その後の観測と分析で、この現象は表面から放出された物質が冷えて塵となり、視界を遮ったことが原因とほぼ特定されました。一部の研究では、表面の巨大黒点説も提案されていますが、結論はでていません。

巨大な黒点が生じたベテルギウスを描いた想像図
【▲ 巨大な黒点が生じたベテルギウスを描いた想像図(Credit: MPIA graphics department)】
ベテルギウスの表面から塵が放出され、それがベテルギウス自身を覆うイメージ図
【▲ ベテルギウスの表面から塵が放出され、それがベテルギウス自身を覆うイメージ図(Credit: NASA, ESA, and E. Wheatley (STScI))
2019年1月 (左) と2019年12月 (右)に観測されたベテルギウスの画像
【▲ 2019年1月 (左) と2019年12月 (右)に観測されたベテルギウスの画像(Credit: ESO/M. Montargès et al.)】

最新研究:ベルセウスに伴星が存在する可能性

図5: 2024年12月9日に波長466nmの青色の光で撮影された画像を処理したもの。オレンジ色のベテルギウスの左下にある青色が伴星とみられる天体です。この画像自体は擬似的に色を付けたものですが、実際の伴星も青白い色をしていると考えられています。(Credit: International Gemini Observatory, NOIRLab, NSF & AURA / 画像処理: M. Zamani(NSF NOIRLab / 日本語の加筆は筆者(彩恵りり)による)
【▲ 2024年12月9日に波長466nmの青色の光で撮影された画像を処理したもの。オレンジ色のベテルギウスの左下にある青色が伴星とみられる天体です。この画像自体は擬似的に色を付けたものですが、実際の伴星も青白い色をしていると考えられています。(Credit: International Gemini Observatory, NOIRLab, NSF & AURA / 画像処理: M. Zamani(NSF NOIRLab / 日本語の加筆は彩恵りり氏による)】

2025年7月の研究では、ベテルギウスに伴星が存在する可能性が報告されました。

ジェミニ北望遠鏡の観測によると、この伴星は質量が太陽の約1.5倍、周期約6年で公転しており、「シワルハ(Siwarha)」と愛称が付けられました。将来的にベテルギウスの外層に取り込まれる可能性もあります。

 

 

文/sorae編集部

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