6億年かけて地球に届いた超新星爆発の光 ハッブル宇宙望遠鏡が観測

こちらの画像、中央に見えているのは「ふたご座(双子座)」の方向約6億光年先の銀河。やや弓なりにゆがんだ銀河の中心から左上の位置に、青い光点が1つ輝いているのがわかりますでしょうか。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)が観測した超新星「SN 2022aajn」(中央の光点)と、SN 2022aajnが発生した銀河(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)が観測した超新星「SN 2022aajn」(中央の光点)と、SN 2022aajnが発生した銀河(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz))】

およそ6億年かけて地球に届いた超新星爆発の光

この光点は2022年11月に発見が報告された超新星「SN 2022aajn」の輝きです。画像は発見から2か月後の2023年1月に「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得した観測データを使って作成されました。

欧州宇宙機関(ESA)によると、SN 2022aajnは白色矮星を含む連星が関わるとされる「Ia型超新星」に分類されています。Ia型超新星は伴星からガスが流れ込むなどした白色矮星の質量が、太陽の約1.4倍という一定の値に達した時に起こるとされる現象です。Ia型超新星は真の明るさがほぼ一定であり、観測された見かけの明るさと比較することで地球からの距離を割り出せると考えられていることから、宇宙の距離を測定するのに役立つ標準光源のひとつとして利用されています。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2025年1月27日付で公開されています。

 

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文・編集/sorae編集部