土星のA環と、その隣に輝く地球と月(Credit: NASA, ESA, JPL-Caltech, SSI, Cassini Imaging Team; Processin: Kevin M. Gill)

■今日の天体画像:土星の環の隣に輝く地球と月

2017年4月13日、ミッション終了まであと数か月となった土星探査機「カッシーニ」は、太陽の光が当たらない土星の影に入る機会を得ました。この画像はそのとき撮影されたもので、太陽に照らされている土星の環を裏側から撮影したものになります。画像の中央から右側にかけて写っているのは地球から望遠鏡越しでもよく見えるA環の一部で、右側に見えている幅広い隙間はエンケの間隙、中央にある狭い隙間はキーラーの空隙と呼ばれています。画像の左上にちらっと見えているのは、細いF環の一部です。

画像の中央をよく見るとA環のすぐ左隣に2つの点が写っていますが、大きい点は14億km彼方に浮かぶ地球で、その上にある小さな点は月です。カッシーニは2013年と2017年に土星から地球を撮影していますが、この画像は2度目の機会に撮影されたものとなります。

今年の2月に無人探査機「ボイジャー」1号によって撮影された地球の写真「ペイル・ブルー・ドット」を紹介しましたが、カッシーニが撮影したこの画像でもまた、人類が暮らす世界すべてが1つの光の点におさめられています。スマートフォンの写真アプリを遡ってみたところ、3年前の同じ日に撮影した風景や料理の写真が残っていました。カッシーニが地球を振り返っていたこの日に自分が何をしていたのか思い出しながら見てみると、また違った感慨が湧いてきます。

画像が撮影された2017年の9月に土星の大気へと突入してミッションを終えたカッシーニですが、ミッション中に得られた観測データは、研究者にとって土星を深く知るための宝の山となっています。また、先日紹介したIMAX形式の4K動画のように、カッシーニが撮影した画像は今も私たちを楽しませてくれています。

 

関連:土星に近づく大迫力の動画。CGじゃなくカッシーニが見た本物の映像

Image Credit: NASA, ESA, JPL-Caltech, SSI, Cassini Imaging Team; Processing: Kevin M. Gill
Source: Kevin Gill / NASA
文/松村武宏

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