「天文学的な数字」などと表現されるように、天文学ではとても大きな数字を扱います。それは天体の数(「星の数ほどある」とも言いますね)であったり天体までの距離であったりします。ここでは天体までの距離について考えてみましょう

天体までの距離はあまりにも遠いので、日常生活で使う単位(たとえば ㎞)では何桁もの数字になってしまいます。そこで天文学では新たな別の単位を使うことがよくあります。それが「光年」、「パーセク」、「天文単位」です。

なかでも「光年」はもっともよく知られており、天文学の基本単位と言って良いでしょう。「光年」とは光が1年間に進む距離のことです。しかし「光が1年間に進む距離」と言われても、なかなか実感がわかないと思います。そこで光子(光の粒)になったつもりで太陽から天の川銀河の端まで冒頭の動画で旅してみましょう

以下では動画に沿ってkmに換算した数字も書いてみました。「天文学的な数字」も実感してみてください。なお、光の速度は300,000 km/s としています。

・1光秒 300,00030万)km
・1光分 18,000,0001800万)km
・地球まで 8.3光分
・木星まで 43.2光分
・1光時 1.08 billion km 1,080,000,000108000万)km
・海王星まで 4.1光時
・1光日 25.9 billion km 25,920,000,0002592000万)km
・オールトの雲の内側まで 29光日
(オールトの雲:太陽系を球殻状に取り囲んでいる微惑星が分布している領域)
・1光年 9.46 trillion km 9,460,000,000,00094600億)km
 (動画では「9.4 trillion」となっていますが「9.46 trillion」としました)
・最も近い恒星とその惑星まで 4.25光年
(最も近い恒星:プロキシマ・ケンタウリ、その惑星:プロキシマb
・100光年 946 trillion km 946,000,000,000,000946兆)km
・天の川銀河の直径 100,000光年 946 quadrillion km 946,000,000,000,000,000946000兆)km

動画で「光(light)」の後が「秒(second)」、「分(minute)」、「時(hour)」、「日(day)」、「年(year)」と変わっていったことに気がついたでしょうか? たとえば「1光分」だと1分間に光が進む距離を意味しています。光はとても速いと思われていますが、地球から太陽まで8.3分(820秒)、月まで1.3秒、火星まで3分ほどかかります

最も近い系外惑星までは4.25光年、つまり4年3ヶ月もかかります。光速度やそれに近い速度の宇宙船が開発されない限り(現在の科学技術では)系外惑星への旅は不可能でしょう。それでも系外惑星の研究や宇宙開発の意義が失われるわけでは決してありません。

なお「パーセク(pc)」とは「年周視差が1角度秒(1”)となる距離」のことです。また「天文単位(au)」とは「地球と太陽の間の平均距離」のことで1 au は約15000kmになります。

annual_parallax(Credit: 国立天文台歴計算室)

年周視差が1角度秒(1”)となる距離が1 pc(パーセク)(Credit: 国立天文台歴計算室)

最後に「光年」と他の2つの単位との関係は以下のようになります。

1光年 = 0.307 pc(パーセク)= 63,200 au(天文単位)

 

Video Credit: NASA(exoplanets.nasa
Image Credit: 国立天文台暦計算室
Source: NASA(exoplanets.nasa
文/吉田哲郎

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