太陽で見られるもっとも壮大な現象の1つが、「プロミネンス」の噴出です。
2011年、NASAの太陽観測衛星「Solar Dynamics Observatory」（SDO）は、太陽表面から噴出する巨大なプロミネンスを観測しました。上記の動画は、24秒ごとに撮影された画像をつなげて90分間の観測データを凝縮したもので、紫外線で見えるこの壮大な現象をドラマチックに記録しています。動画では、プロミネンスが噴出した後にガスが降り注ぐ様子が確認できます。そのスケールは地球全体をすっぽりと収めるほどの巨大さを誇ります。
プロミネンスは太陽の磁場によって支えられ、ときには太陽表面の上に浮かんでいます。穏やかなプロミネンスは通常1か月ほど存在し続けますが、中には「コロナ質量放出（CME）」として太陽系内にガスを放出するものもあります。プロミネンスがどのように形成されるかは完全には解明されていませんが、太陽は約11年周期で活動が変化します。この周期では活動が活発になる「極大期」と穏やかになる「極小期」があり、極大期を迎えるとプロミネンスの噴出のような現象がさらに多く観測されると予想されています。
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プロミネンスは日本語で紅炎
なお、プロミネンスは日本語で「紅炎（こうえん）」とも訳されます。実際には「炎」ではなく、近年では「プロミネンス」という名称がより一般的ですが、観測画像から伝わる迫力を「紅炎」という訳語がよく表現しているとも言えるでしょう。
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- Image Credit & Copyright: NASA/Goddard/SDO AIA Team
- NASA - A Solar Prominence Eruption from SDO
文／北越康敬 編集／sorae編集部（初出：2019年12月7日）
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