
夜空に浮かぶ3つの三日月を描いた作品のようにも見えるこちらの画像、実は空想ではなく本物の光景です。

撮影したのは2017年9月にミッションを終えた土星探査機「カッシーニ(Cassini)」で、写っているのはすべて土星の衛星です。
最も大きく見えているのは土星最大の衛星タイタン(直径約5150km)で、タイタンの左上に見えているのはレア(直径約1527km)、タイタンの左下に小さく写っているのはミマス(直径約396km)となります。
レアとミマスは輪郭がはっきりとしていて、クレーターに覆われているレアの地表の様子も捉えられていますが、厚い大気を持つタイタンは地表が見えず、輪郭も少しぼやけているのがわかります。
また、大気が光を屈折させるため、タイタンの「三日月」は暗い夜側まで包み込むような形をしています。
冒頭の画像は2015年3月25日にカッシーニの狭角カメラを使って撮影されたもので、同年6月22日に「Triple Crescents」のタイトルで公開されました。
撮影時のカッシーニから衛星までの距離は、タイタンが約430万km、ミマスが約300万km、レアが約260万kmとされています。
文・編集/sorae編集部