2025年初頭も太陽活動は活発 1月4日までにXクラスのフレアを3回観測

第25周期の極大期を迎えているとみられる太陽活動。2024年5月には大規模な太陽フレアが連続して発生し、世界各地で低緯度オーロラが観測されて話題になりました。アメリカ航空宇宙局(NASA)やアメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、太陽活動は2025年も活発な状態が続くと予想されています。

1月3日と4日にXクラスのフレアが合計3回発生

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の静止気象衛星「GOES-16」の太陽紫外線イメージャー「SUVI」が捉えた太陽。左端やや上の明るい部分は日本時間2025年1月3日20時39分にピークを迎えたX1.2の太陽フレア(Credit: NOAA)
【▲ アメリカ海洋大気庁(NOAA)の静止気象衛星「GOES-16」の太陽紫外線イメージャー「SUVI」が捉えた太陽。左端やや上の明るい部分は日本時間2025年1月3日20時39分にピークを迎えたX1.2の太陽フレア(Credit: NOAA)】

NASAやNOAAの予想を裏付けるかのように、新年を迎えて1週間と経たない間に太陽ではXクラスのフレアが3回発生しました。

規模は日本時間2025年1月3日にX1.2、1月4日にX1.1とX1.8が観測されており、いずれも同じ活動領域(黒点周囲の活発な現象が起こる領域)で発生。Xクラスに次ぐ規模となるMクラスのフレアも2025年に入って複数観測されており、特に1月4日から1月5日にかけて活発に発生しています(最大はM7.6)。ちなみに、太陽フレアの規模はピーク時のX線強度に従って強いほうから順にX・M・C・B・Aと定められていて、同じ数値でも前後のクラスとは10倍の差があります。

太陽の活動は宇宙天気(太陽活動による宇宙環境の変動)に大きな影響を及ぼすため、活発な時期にはGPSなどの測位システム、ラジオなどの通信、地上の電力網に障害を引き起こす可能性があり、宇宙ステーションなどで活動する宇宙飛行士の被ばく線量が増加するリスクも懸念されます。また、活発な太陽活動によって地球の大気が膨張すると、低軌道を周回する人工衛星の高度が大気の抵抗によって低下しやすくなるため、運用上の影響が生じる可能性もあります。

情報化社会に大きな影響を及ぼしかねない極大期の太陽活動、2025年も引き続き注目していきたいと思います。

 

Source

  • NICT - 宇宙天気予報
  • NASA - Solar Cycle 25 (NASA Blogs)

文・編集/sorae編集部