
(引用元:NASA)
こちらは、2018年12月、NASAが探査機「ボイジャー2号」の星間空間への到達を発表した際に公開された概念図です。太陽を包む「太陽圏」と、その外側へ到達した「ボイジャー1号」と「ボイジャー2号」の位置が、当時の考え方にもとづいて描かれています。中央の太陽を囲む大きな泡のような領域が太陽圏で、冥王星の軌道よりもはるか遠くまで広がっています。

今から8年前の2018年11月5日、ボイジャー2号は太陽圏の境界を越えて、恒星と恒星の間に広がる「星間空間」に到達しました。2012年8月に別の方向で境界を越えたボイジャー1号に続き、人類が送り出した探査機として2機目の到達となりました。
※…1970年代に打ち上げられた「パイオニア10号」と「パイオニア11号」も太陽圏の外へ向かっていますが、どちらも途中で交信が途絶えており、星間空間への到達は確かめられていません。
ただし、「太陽圏を出た」からといって、「太陽系を出た」わけではありません。当時は「ボイジャー2号が太陽系を離脱した」と伝える報道も見られましたが、NASAは発表の中で、ボイジャーはまだ太陽系を出ておらず、当分出ることもないと説明していました。
ここで、太陽圏と太陽系の違いをおさらいしておきましょう。
太陽圏は「太陽風」がつくる領域
太陽からは、電気を帯びた粒子の流れである「太陽風」が絶えず吹き出しています。この太陽風が広がり、太陽から来た粒子や磁場で満たされた領域が太陽圏です。
太陽圏の外縁部では、恒星と恒星の間を満たすガスと太陽風がせめぎ合っています。その境目は「ヘリオポーズ」と呼ばれ、ボイジャー2号が2018年11月5日に越えたのも、この境目でした。
通過を見きわめる決め手になったのは、ボイジャー2号に搭載されたプラズマ観測装置のデータです。この日、周りを流れる太陽風の粒子の速さが急に落ち、その後、太陽風の流れは観測されなくなりました。ほかの3つの観測装置で当時得られたデータも、太陽圏の外へ出たことを裏付けていました。
太陽系は、太陽圏の外にも続いている
一方、太陽系は、太陽と、その重力に結びつけられた惑星や小天体などの集まりです。太陽風が届く範囲で決まる太陽圏とは、広がりが一致しません。
惑星の軌道よりもはるか遠くには、氷を主成分とする無数の小天体が太陽を球状に取り囲む「オールトの雲」があると考えられています。長い周期で太陽を回る彗星のふるさととされる場所で、太陽圏よりもずっと遠くまで広がっていると推定されています。

NASAの2018年の発表では、ボイジャー2号がオールトの雲の内側の端にたどり着くまでに約300年、そこから雲を抜けるまでには約3万年かかるかもしれないと説明しています。オールトの雲がどこまで広がっているのかは、正確にはわかっていません。それでも、この数字からは、オールトの雲がボイジャー2号の越えた太陽圏よりもはるかに遠くまで続いていることがうかがえます。
ボイジャー2号は今も、秒速約15kmという速さで太陽から遠ざかっているとされます。それでも、太陽系の外へ出るまでには、まだ気の遠くなるような時間がかかります。8年前のこの日は、私たちの太陽系がどれほど広いのかを、あらためて教えてくれた日でもありました。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA/JPL - Two Interstellar Travelers
- NASA - NASA’s Voyager 2 Probe Enters Interstellar Space
- NASA - Uncovering Our Solar System's Shape
- NASA - Voyager 2
- NASA - 10 Things: Going Interstellar









