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NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年8月4日付で、惑星探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」において新たな省電力化策を実施した結果、科学観測を少なくとも1年延長できる見通しになったと発表しました。

深宇宙を飛行する惑星探査機ボイジャーの想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ 深宇宙を飛行する惑星探査機ボイジャーの想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

低消費電力の機器へ変更する“ビッグバン”に成功

今回、JPL(NASAジェット推進研究所)の運用チームは、ボイジャー2号に搭載されている機器の一部を停止させて消費電力のより小さい代替手段に切り替えつつ、機体の保温に必要な電力は維持するという新たな省電力化策を実施しました。

この取り組みは「ビッグバン(the Big Bang)」と呼ばれています。2026年4月に同型機の「ボイジャー1号(Voyager 1)」で観測機器の1つを停止したことを明らかにした際、運用チームが“ビッグバン”に向けて準備を行っていることにもNASAは言及していました。

ボイジャー1号と2号には、プルトニウムの崩壊熱を電気に変換する「放射性同位体熱電気転換器(RTG:Radioisotope Thermoelectric Generator、原子力電池の一種)」が電源として搭載されています。

太陽電池では電力が得られないほど太陽から遠く離れていても稼働し続けているのは、このRTGのおかげです。しかしNASAによれば、ボイジャーのRTGは毎年約4ワットずつ発電量が低下し続けていて、打ち上げからほぼ半世紀が経過した現在では電力に余裕がなくなっています。

そのため、ボイジャーの運用チームは必須ではない機器を順次オフにすることで、電力消費を抑えてきました。2024年以降はそれぞれ2基の科学観測機器が停止されていて、今回の発表時点で稼働している科学機器の数はボイジャー1号が2基、ボイジャー2号が3基まで減っています。

NASAによると、何も対策を行わなければ、ボイジャー2号では2026年末までに1基の機器を停止せざるを得ない状況でした。今回の“ビッグバン”の成功によって、ボイジャー2号では3基の観測機器を少なくとも1年間長く稼働させられる見通しが立ったといいます。

ボイジャー1号でも“ビッグバン”を実施へ

電力に比較的余裕のあるボイジャー2号で試験的に実施された“ビッグバン”の成功を受けて、運用チームは地球からより遠くを飛行しているボイジャー1号についても、今後数か月のうちに同様の対策を実施する計画です。

来年2027年で打ち上げから半世紀が経つボイジャー1号と2号は、星間空間の貴重な観測データを地球に送り続けています。今回のような工夫の積み重ねが、2機の貴重な観測をこれからも支えていくことになりそうです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典