
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、火星の第2衛星「ダイモス(Deimos)」を、NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」に搭載された高解像度カメラ「HiRISE」が捉えた画像です。
ダイモスは、アメリカの天文学者Asaph Hall(アサフ・ホール)が、口径66cmの屈折望遠鏡を使って発見しました。発見日は当時の「天文時」で1877年8月11日と記録されていますが、現在の一般的な時刻表記および日本時間では8月12日に相当します。そのため、本記事のタイトルでは日本時間に合わせて8月12日としています。

いびつな小型衛星
ダイモスの大きさは約15×12×11km、平均半径は約6kmです。丸みを帯びているものの、自らの重力で球形になるほど大きくないため、いびつな形をしています。それでも、火星のもう1つの衛星フォボス(Phobos)と比べると、その表面はなめらかに見えます。
ダイモスの表面は、隕石の衝突などで生じた細かな岩片や塵からなる「レゴリス」に覆われていることが分かっています。その厚さは最大約100mに達する可能性があり、一部のクレーターもレゴリスによって埋められています。また、フォボスで見られる溝状の地形が目立たないことも、ダイモスの表面がなめらかに見える理由の一つです。

一方、フォボスとダイモスの起源は、発見から約150年が経過した現在も明らかになっていません。主な説として、小惑星が火星の重力に捕らえられたとする「小惑星捕獲説」と、火星への巨大衝突で生じた物質が集まったとする「巨大衝突説」があります。
火星衛星の起源に挑む日本の「MMX」
このような火星衛星の起源に関する謎や、火星圏の進化過程などの解明に挑むのが、JAXAの火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」です。MMXの探査機は、フォボスから10g以上のサンプル(試料)を採取して地球へ持ち帰るほか、ダイモスにも接近して観測を実施します。観測データと持ち帰ったサンプルの分析を通じて、これらの謎に迫るとともに、将来の惑星探査に必要な技術の獲得も目指します。
なお、MMXの探査機は2026年度に日本の「H3」ロケットで打ち上げられる予定。火星圏でサンプル採取や観測を実施した後、2031年度の地球帰還を目指します。

一世紀半前、望遠鏡の視野で点のようにしか見えなかった小さな光は今、日本の探査機が間近で観測する天体になろうとしています。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA Science - Martian Moon Deimos in High Resolution
- NASA Science - Deimos
- NASA Science - Deimos!
- JAXA - 火星衛星探査計画(MMX)
- JAXA宇宙科学研究所 - 火星衛星探査計画(MMX)の探査機、JAXA種子島宇宙センターに搬入完了
























