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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

今回紹介するのは、火星の第2衛星「ダイモス(Deimos)」を、NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」に搭載された高解像度カメラ「HiRISE」が捉えた画像です。

ダイモスは、アメリカの天文学者Asaph Hall(アサフ・ホール)が、口径66cmの屈折望遠鏡を使って発見しました。発見日は当時の「天文時」で1877年8月11日と記録されていますが、現在の一般的な時刻表記および日本時間では8月12日に相当します。そのため、本記事のタイトルでは日本時間に合わせて8月12日としています。

HiRISEが2009年2月21日に撮影した火星の衛星ダイモス。近赤外線、赤色、青緑色の各波長で取得したデータを組み合わせたカラー強調画像(Credit: NASA/JPL/University of Arizona)
【▲ HiRISEが2009年2月21日に撮影した火星の衛星ダイモス。近赤外線、赤色、青緑色の各波長で取得したデータを組み合わせたカラー強調画像(Credit: NASA/JPL/University of Arizona)】

いびつな小型衛星

ダイモスの大きさは約15×12×11km、平均半径は約6kmです。丸みを帯びているものの、自らの重力で球形になるほど大きくないため、いびつな形をしています。それでも、火星のもう1つの衛星フォボス(Phobos)と比べると、その表面はなめらかに見えます。

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ダイモスの表面は、隕石の衝突などで生じた細かな岩片や塵からなる「レゴリス」に覆われていることが分かっています。その厚さは最大約100mに達する可能性があり、一部のクレーターもレゴリスによって埋められています。また、フォボスで見られる溝状の地形が目立たないことも、ダイモスの表面がなめらかに見える理由の一つです。

火星の衛星「フォボス(手前)」と「ダイモス(右奥)」を再現したCG(Credit: Shutterstock)
【▲ 火星の衛星「フォボス(手前)」と「ダイモス(右奥)」を再現したCG(Credit: Shutterstock)】

一方、フォボスとダイモスの起源は、発見から約150年が経過した現在も明らかになっていません。主な説として、小惑星が火星の重力に捕らえられたとする「小惑星捕獲説」と、火星への巨大衝突で生じた物質が集まったとする「巨大衝突説」があります。

火星衛星の起源に挑む日本の「MMX」

このような火星衛星の起源に関する謎や、火星圏の進化過程などの解明に挑むのが、JAXAの火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」です。MMXの探査機は、フォボスから10g以上のサンプル(試料)を採取して地球へ持ち帰るほか、ダイモスにも接近して観測を実施します。観測データと持ち帰ったサンプルの分析を通じて、これらの謎に迫るとともに、将来の惑星探査に必要な技術の獲得も目指します。

なお、MMXの探査機は2026年度に日本の「H3」ロケットで打ち上げられる予定。火星圏でサンプル採取や観測を実施した後、2031年度の地球帰還を目指します。

火星周回軌道に投入される火星衛星探査計画「MMX」の探査機のCGイメージ(Credit: JAXA)
【▲ 火星周回軌道に投入される火星衛星探査計画「MMX」の探査機のCGイメージ(Credit: JAXA)】

一世紀半前、望遠鏡の視野で点のようにしか見えなかった小さな光は今、日本の探査機が間近で観測する天体になろうとしています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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