
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、NASAが2017年5月25日に公開した、超新星爆発を起こさずにブラックホールへと崩壊する大質量星の最終段階を描いた想像図です。

大質量の恒星は、寿命の最後に「超新星爆発」と呼ばれる大爆発を起こすと考えられています。しかし、一部の大質量星は超新星爆発を起こさず、自身の重力で押し潰されるように崩壊し、ブラックホールになる可能性が理論的に指摘されてきました。こうした現象は「失敗した超新星(failed supernova)」と呼ばれています。
想像図の左端には、寿命の終わりを迎えた赤色超巨星が描かれています。その右側に並ぶ4つは、恒星の中心部が崩壊してブラックホールが形成された後の変化を表しています。中央の3つでは、放出された星の外層がブラックホールを取り囲みながら膨張し、次第に暗くなっていく様子が描かれています。右端では、周囲に残った物質の一部が円盤を形成しながらブラックホールへ落下しています。この物質の落下によって、崩壊から数年後も可視光線や赤外線が放射される可能性があります。
超新星爆発を起こさずに「消えた」星の謎
この想像図が制作されるきっかけとなったのは、地球から約2200万光年離れた渦巻銀河「NGC 6946」にあった大質量星「N6946-BH1」の観測です。
N6946-BH1は、太陽の約25倍の質量を持つ赤色超巨星だったと推定されています。2009年に一時的な増光を示しましたが、一般的な超新星爆発ほど明るくなることはなく、その後は急速に暗くなり、2015年までに可視光線ではほとんど確認できなくなりました。
2017年に発表された研究では、巨大双眼望遠鏡(LBT)、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡の観測データが分析されました。研究チームは、N6946-BH1が塵に隠された可能性などを検討したうえで、この星が超新星爆発を起こさずに崩壊し、ブラックホールが形成された可能性を示しました。
研究チームは当時、このように超新星爆発を経ずに消える大質量星が、全体の1割から3割を占める可能性があると見積もっていました。これが事実であれば、観測される大質量星の超新星爆発が理論的な予想より少ない理由のひとつになるかもしれません。
しかし、2024年に発表されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測結果から、以前はひとつに見えていたN6946-BH1付近の光が、少なくとも3つの光源が重なったものだったことが明らかになりました。また、N6946-BH1があった位置には現在も赤外線源が残っており、恒星同士の合体によって塵に覆われた天体が形成された可能性も浮上しています。
このため、N6946-BH1が失敗した超新星だったかどうかは、現在も確定していません。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Massive Star Goes Out With a Whimper Instead of a Bang (Artist's Concept)
- Adams et al. (2017) - The search for failed supernovae with the Large Binocular Telescope: confirmation of a disappearing star










