
(引用元:Southwest Research Institute)
「準惑星」と聞いて、真っ先に冥王星を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。それまで太陽系の第9惑星とされていた冥王星が準惑星に分類されたことは、かつて大きな話題になりました。
今回紹介するのは、準惑星「マケマケ」と「エリス」を描いた想像図です。この画像をきっかけに、準惑星とはどのような天体で、惑星とは何が違うのかをおさらいしてみましょう。

マケマケとエリスは、今から21年前の2005年に発見されました。どちらも海王星よりも外側を回る「太陽系外縁天体」です。エリスは発見された当初、冥王星より大きいと考えられ、「第10惑星」と報じられたこともありました。冥王星に匹敵する天体が次々と見つかったことは、「惑星とは何か」を見直す議論のきっかけのひとつになりました。
2006年にIAU(国際天文学連合)が定めた惑星の条件は3つあります。太陽の周りを回っていること、自分の重力でほぼ丸い形になれるほど重いこと、そして自分の軌道の近くにある他の天体を取り除いていることです。準惑星は、このうち最初の2つは満たしているものの、3つ目を満たしていない天体で、衛星ではないものを指します。
※「他の天体を取り除いている」とは、近くに小さな天体がまったく存在しないという意味ではなく、軌道の周辺で重力的に支配的な存在になっていることを指します。
冥王星の軌道の近くには、同じような太陽系外縁天体がたくさん回っています。冥王星は丸くなれるほど大きいのですが、軌道の近くにある天体を取り除けていないため、惑星ではなく準惑星とされました。マケマケやエリスも、同じ理由で準惑星に分類されています。
現在、準惑星として認められているのは、ケレス、冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアの5つです。このうちケレスだけは火星と木星の間にある小惑星帯を回っていて、残りの4つは海王星よりも外側を回っています。2008年には、海王星よりも外側を回る準惑星を「冥王星型天体」と呼ぶことも決まりました。
凍った表面の下は温かい?
冥王星型天体は、太陽からとても遠いところを回っています。太陽の周りを1周するのに、マケマケは約305年、エリスは約557年かかります。
太陽の光がわずかしか届かないため、両天体の表面は凍ったメタンに覆われています。表面は極寒の世界ですが、どうやら内部まで冷え切っているとは限らないようです。
この想像図は、アメリカのサウスウエスト研究所(SwRI)が2024年2月15日に発表した研究にあわせて公開されたものです。研究チームは、ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを使い、両天体の表面にあるメタンを詳しく調べました。その結果、このメタンは天体の奥にある岩石の中心部が温められ、そこで作られた可能性があることがわかりました。
内部の活動が今も続いているかどうかは、まだわかっていません。それでも、遠く離れた天体から届く光を調べることで、凍った表面の下で何が起きてきたのかまで探れるようになってきました。マケマケとエリスは、ただ冷たく静まり返っているだけの世界ではないのかもしれません。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Makemake Facts
- NASA - Eris Facts
- Southwest Research Institute - SwRI scientists find evidence of geothermal activity within icy dwarf planets
- 天文学辞典 - 準惑星
- LPI - IAU Approves Name of Fourth Dwarf Planet









