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2026年11月の星空情報:土星と秋の四辺形を見つけよう

11月、紅葉が盛りとなり、山々が錦のようにあでやかな様子を見せる季節となりました。 一方、秋の星空は明るい1等星も少なく、冷たい晩秋の風の中で、ひそやかな光を放っています。

その中で、明るく輝くのが土星です。2026年11月の空では、南の空やや高いところで見られます。あまりまたたかず、静かに光る姿には、どこか威厳が漂います。

土星より少し空高いところを見上げると、秋の四辺形が見つかります。3つの2等星と1つの3等星から構成されており、決してきらびやかではありませんが、周囲に明るい星が少ないためよく目立ちます。

2026年11月初旬 21時頃の東京の南の星空(Credit: 国立天文台)
【▲ 2026年11月初旬 21時頃の東京の南の星空(Credit: 国立天文台)】

秋の四辺形は、空を駆ける天馬をかたどった「ペガスス座」の胴体の目印です。また、他の星座を見つける目印にもなります。

まず、四辺形の北東側の2等星アルフェラッツが、「アンドロメダ座」の額の星です。古代エチオピアの王女、アンドロメダが描かれています。

アンドロメダ座の北側には、母のカシオペヤ王妃と父のケフェウス王が、それぞれ星座となって輝いています。 カシオペヤ座は2~4等星からなるWの並びが特徴的で、日本では「いかり星」と呼ばれることもあります。ケフェウス座は同じく2~4等星で構成された細い五角形の星座です。

また、アンドロメダ座の東には、細かい星が連なり漢字の「人」の字のような形を作っています。こちらが「ペルセウス座」です。怪物メドューサの首を携え、剣を振り上げた勇ましい姿で星座に描かれています。

これらの星座は、全て一つの神話でつながっています。

ギリシャ神話の一説では、カシオペヤ王妃は、自分の娘を誇るあまり、「海の妖精たちより美しい」と言い、ポセイドンの怒りを買います。ポセイドンは怪物ケートスに命じ、エチオピアの海を荒らさせました。 ケフェウス王が神に助けを求めると、「アンドロメダを捧げよ」との神託が下ります。国を救うため、アンドロメダは海岸の岩に鎖で縛られ、いけにえとなります。 そこへペガススにまたがったペルセウスが駆けつけ、メドューサの首をケートスに向けて掲げました。その魔力で石となったケートスは、海の底へ沈んでいきました。 その後、アンドロメダはペルセウスと結婚し、幸せに暮らしたと言われています。

怪物ケートスも秋の星座になっています。秋の四辺形の東側の2星を結び、空低い方へ延ばすと、2等星ディフダが見つかります。ディフダは「2匹目のカエル」という意味ですが、デネブ・カイトス(ケートスのしっぽ)という別名を持ち、名前通りケートスの尾の星に当たります。星座名は「くじら座」です。

くじら座には面白い星があります。ケートスの心臓に当たる「ミラ」という星です。ミラは「ふしぎな」という意味で、約11か月周期で2~10等星と大きく変光する、まさにふしぎな星です。 (極大時の明るさにはばらつきがあり、必ず2等星まで明るくなるわけではありません)

ミラは脈動変光星です。年老いて不安定になった星で、まるで心臓が脈打つように膨張と収縮を繰り返し、それに伴って明るさが変わります。 次回、ミラは2026年12月~2027年1月ごろに極大を迎え、3等星程度まで明るくなると予想されています。ディフダや土星を目印にすると見つけやすいでしょう。

また、ペルセウス座には性質の異なる変光星があります。メドューサの頭に当たる位置にある「アルゴル」は、およそ3日周期で、2.12等級から3.39等級まで変光します。アルゴルは3重星で、そのうちの二つの星(主星Aと伴星B)が互いの前を通過し、星の光を隠すことで明るさが変わって見えます。 アルゴルは「悪魔」を意味し、古代アラビアにおいては「最も不幸で危険な星」とも呼ばれていたようです。

秋の空には明るい星こそ少ないものの、壮大な王家の物語にまつわる星座や、明るさの変わるふしぎな星があり、知的好奇心をそそる独特の魅力があります。 秋の夜長、澄み切った夜空を眺めて、星や星座の奥深さを感じてみてはいかがでしょうか。

※…星座や天体の見える方角や位置関係は、東京で2026年11月15日21時に見た場合のものです

2026年11月中旬 20時頃の東京の星空(Credit: 国立天文台)
【▲ 2026年11月中旬 20時頃の東京の星空(Credit: 国立天文台)】

 

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参考文献・出典