
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの木星探査機「ガリレオ(Galileo)」が撮影した小惑星「ガスプラ(951 Gaspra)」の姿です。35年前の1991年10月30日(日本時間)、木星へ向かう途中のガリレオはガスプラから約1600kmの距離を通過し、人類史上初めて小惑星を間近で観測しました。

この画像は、最接近の約10分前に距離約5300kmから撮影した白黒画像に、それより前に紫・緑・近赤外線の3つのフィルターで撮影した画像の色情報を重ねたものです。表面の違いを見分けやすくするため、人間の目で見た場合よりも色合いが強調されています。
火星と木星の間にある小惑星帯の内縁部を公転するガスプラは、主に岩石からなる「S型小惑星」に分類されます。細長く、いびつな形をしており、最も長い部分は約18kmあります。この画像で太陽の光が当たっている部分には、600個以上のクレーターが確認されています。
輪郭の凹凸や表面に刻まれたクレーターなどの地形は、ガスプラがどのように生まれ、姿を変えてきたのかを探る手がかりになります。
大きな母天体が砕けて生まれた破片
ガスプラの表面を詳しく見ると、なだらかな起伏や平坦な面に加え、幅100〜300mほどの浅い溝が走っていることがわかります。この溝は、天体に生じた亀裂と関係していると考えられています。
こうした地形やいびつな形から、ガスプラは太陽系誕生時の姿をそのまま残した天体ではなく、かつて存在したより大きな天体が衝突で砕け、その破片のひとつとして生まれたと考えられています。
それまで「ただの光の点」にしか見えなかった小惑星にも、クレーターや溝があり、衝突を経験した歴史がある。ガリレオによるガスプラの接近観測は、そんな小惑星の姿を初めて間近で捉えました。ガリレオはこの約2年後の1993年8月にも小惑星「イダ(243 Ida)」を間近で観測し、その画像から小惑星の衛星として初めて「ダクティル」が発見されています。
35年前にガリレオが切り拓いた小惑星探査の歴史は、のちに日本の「はやぶさ」「はやぶさ2」や、NASAの「OSIRIS-REx(オシリス・レックス)」「Lucy(ルーシー)」といった数々の探査ミッションへと受け継がれています。
編集/sorae編集部









