
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの木星探査機「ガリレオ(Galileo)」が撮影した、木星の衛星「エウロパ(Europa)」です。1995年と1998年に固体撮像カメラ(SSI)で撮影された複数の画像を組み合わせ、表面を覆う物質の違いが際立つように色合いを強調しています。

エウロパは直径約3120kmと、地球の月より少し小さい天体です。表面は水の氷に覆われ、青白い領域には比較的純度の高い氷が、赤褐色の領域には氷以外の物質が多く含まれています。縦横に走る筋は、氷の地殻にできた亀裂や尾根です。
こうした地形には、木星の重力によってエウロパが引き伸ばされたり縮められたりする「潮汐力」が関わっています。赤褐色の物質については、地下に由来する塩類が放射線を浴びて変色した可能性などが研究されています。
また、月や水星に比べて衝突クレーターが少ないことも特徴です。表面の年代は平均で約4000万~9000万年と推定されており、氷の移動などによって地形が新しくなってきたとみられています。
不具合を乗り越えて木星へ向かった「ガリレオ」
ガリレオは日本時間1989年10月19日未明、スペースシャトル「アトランティス」のSTS-34ミッションで打ち上げられました。木星へ向かう途中の1991年、ガリレオの直径4.8mの主アンテナが十分に開かない不具合が発生。大量の観測データを地球へ送る計画に、大きな支障が生じました。

運用チームは、ガリレオのソフトウェアを改良してデータを圧縮し、地球側の受信設備も強化しました。こうした対策によって、小さな低利得アンテナで観測成果を送り続けることができたのです。
その重要な成果の一つが、エウロパの内部海を示す証拠でした。
磁場の観測などから、厚い氷の下には塩水の海が広がっていると考えられるようになり、その水量は地球の海を上回る可能性があります。太陽から遠く離れていても、潮汐力によって内部に熱が生じれば、水が液体のまま保たれると考えられています。生命に欠かせない液体の水が存在する可能性から、エウロパは地球外生命を考えるうえでも注目される天体となりました。
氷の下の海を調べる次の探査へ
やがて燃料が残り少なくなったガリレオは、運用終了を迎えます。そのまま制御できなくなると、将来エウロパに衝突し、地球由来の微生物を持ち込むおそれがありました。これを避けるため、2003年9月22日未明(午前3時57分頃)に木星の大気へ突入し、約14年間のミッションを終えました。
そして2026年現在、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の探査機「Juice(ジュース)」とNASAの探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」が木星系へ向かっています。
Juiceは2031年7月に木星へ到着し、エウロパ、ガニメデ、カリストを観測した後、ガニメデの周回軌道に入る計画です。一方、Europa Clipperは2030年4月に木星へ到着し、エウロパへの接近を繰り返して、氷の厚さや内部海、生命が存在できる環境があるのかを調べます。
異なる探査計画で、氷に覆われた衛星の内部に迫る2機。ガリレオが見つけた手がかりをどこまで確かめられるのか、2030年代の観測が待たれます。


編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA JPL - Europa’s Frozen Surface
- NASA - Galileo
- NASA JPL - NASA Research Reveals Europa’s Mystery Dark Material Could Be Sea Salt
- NASA JPL - Newly Reprocessed Images of Europa Show ‘Chaos Terrain’ in Crisp Detail
- NASA - Europa Clipper Mission FAQ
- NASA - Europa Clipper
- ESA - Juice





















