
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)」が、2021年2月の金星への4回目のフライバイで撮影した夜側の姿です。この画像は、広視野カメラ「WISPR」が捉えた画像(左)と、厚い雲を透過する電波で地表を調べた金星探査機「マゼラン」の地形図(右)を比較したものです。

本来、WISPRは太陽風やコロナの構造を観測するために開発されたカメラです。金星の地表を撮影する目的ではありませんでしたが、厚い雲を通り抜けてきた地表のかすかな光を、可視光から近赤外線にかけての波長で捉えました。
NASAによると、金星の地表は夜側でも約460°Cという、鉛をも溶かす高温に達しています。熱した鉄が赤く光るように、金星の岩石自体も熱放射によってかすかな光を放っているのです。
WISPR画像では、周囲よりも温度が低いアフロディーテ大陸やテルス高地などの高地は暗く、温度が高いアイノ平原などの低地は明るく写っています。この明暗がマゼランの地形図と対応しており、厚い雲の下にある地形が浮かび上がっています。また、金星の縁には、大気中の酸素に由来する淡い発光「大気光」も捉えられています。
10月24日、金星が「内合」に
2026年10月24日は、金星が「内合(ないごう)」を迎える日です。内合とは、地球よりも内側を公転する惑星が、地球から見て太陽の手前に位置することです。

これまで日没後の西の空で「宵の明星」として輝いていた金星は、見かけの位置が太陽に近づくにつれて、夕空では見つけにくくなっていました。内合を境に、今度は日の出前の空へと移っていきます。
内合のころ、金星は地球に近づき、見かけの大きさも大きくなります。今回の内合時の地球との距離は約4000万kmです。ただし、内合は太陽と金星の見かけの位置関係を表すもので、地球との最接近の瞬間と必ず一致するわけではありません。
このころの金星は、太陽に照らされていない夜側をほぼ地球に向けています。月でいえば新月に近い位置関係となり、見かけの位置も太陽に近いため、観察は極めて困難です。誤って太陽を見る危険があるため、双眼鏡や望遠鏡を太陽の近くに向けないでください。
地球からは見えにくくなった金星ですが、その夜側でも地表は高温に保たれ、かすかな光を放っています。パーカー・ソーラー・プローブの画像は、厚い雲の下に隠された、そんな金星の姿を伝えています。
内合を過ぎた金星は、やがて日の出前の東の空で「明けの明星」として見えるようになります。国立天文台によると、11月1日の明るさはマイナス4.2等で、その後は徐々に明るくなり、11月30日にはマイナス4.9等の最大光度を迎えます。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA Feature - Parker Solar Probe Captures its First Images of Venus' Surface in Visible Light, Confirmed
- NASA SVS - NASA's New Views of Venus' Surface From Space (SVS 14095)
- 国立天文台 - 月が金星に接近、金星が最大光度(2026年9月)
- 国立天文台 - 月が金星に接近(2026年11月)









