
こちらは、ベラ・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡で観測した恒星間天体「3I/ATLAS」です。
彗星である3I/ATLASのコマ(彗星の核から放出された物質でできた、明るいぼんやりとした領域)や尾といった淡い構造が、明確に捉えられています。

観測史上3例目の恒星間天体
2025年7月に発見された3I/ATLASは、2017年に発見された「1I/‘Oumuamua(オウムアムア)」、2019年に発見された「2I/Borisov(ボリソフ彗星)」に次いで確認された、3番目の恒星間天体(他の恒星系から飛来した天体)として注目を集めました。
極端な双曲線軌道を描く3I/ATLASは、一度太陽系を通り過ぎると二度と戻ってくることはありません。2025年10月末に太陽へ最接近したのち、現在は深宇宙へと遠ざかりつつあります。
恒星間天体のさらなる発見に期待
NOIRLab(アメリカ国立光学・赤外天文学研究所)によると、冒頭の画像はシモニー・サーベイ望遠鏡に搭載されている32億画素の「LSSTカメラ」を使って、2025年12月19日に取得されました。
ルービン天文台では2026年7月、南天の空を10年かけて観測し続ける観測プロジェクト「LSST(Legacy Survey of Space and Time=時空間レガシーサーベイ)」が正式に始動しました。LSSTカメラは40秒間隔で新しい画像を取得し、10年間で空の各地点を約800回ずつ繰り返し観測する予定です。
- 南天の夜空を10年のあいだ繰り返して観測 ベラ・ルービン天文台のサーベイ観測が正式始動(2026年7月4日)
LSSTでは、銀河の分布や光の進行方向のわずかな変化を長期間にわたって精密に測定することで、宇宙の膨張を加速させているとされるダークエネルギー(暗黒エネルギー)や、電磁波では直接観測できないダークマター(暗黒物質)の正体に迫ることを目指した膨大な観測データが蓄積されます。最終的に、約200億個の銀河や約170億個の星々のカタログが完成する見込みです。
また、大質量星が恒星としての寿命の最後に起こす超新星爆発や、太陽系外から飛来する恒星間天体のように、いつどこで起こるか・どこから飛来するのか予測できない突発的な現象や天体を捉える上でも、長期間の継続観測は威力を発揮することになります。
NOIRLabによれば、こうした現象をいち早く発見したルービン天文台がアラートを発出することで、世界中の望遠鏡が追跡観測を行うという国際的な連携体制が構築されています。
別の惑星系で誕生したとみられる恒星間天体からは、他の恒星を周回する惑星や小天体の形成過程に関する手がかりを得ることができます。3I/ATLASのような天体をルービン天文台がより多く発見することで、太陽系をはじめとする惑星系がどのように形成・進化していくのかをより良く理解できるようになると期待されています。
冒頭の画像はNOIRLabから2026年7月15日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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