
アメリカ企業SpaceX(スペースX)は日本時間2026年5月23日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第12回飛行試験を実施しました。
ペイロード放出試験の後にインド洋へ着水成功
アメリカ・テキサス州のStarbase(スターベース)から日本時間2026年5月23日7時30分(アメリカ中部夏時間2026年5月22日17時30分)にリフトオフしたStarshipは、2段目のStarship宇宙船が約9分15秒後にエンジンを停止して、軌道到達に成功しました(※リフトオフからの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)。
慣性飛行中には、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」用の次世代通信衛星と同じサイズ・同じ重量を模倣した20基の「Starlinkシミュレーター」と、2基の改修型Starlink衛星を放出することに成功。リフトオフから約1時間06分後にはインド洋へ着水して飛行を終えました。
今回の飛行試験は、アップグレードされた第3世代Starshipの初飛行でした。1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」ブースターに搭載される33基のエンジンと、Starship宇宙船に搭載される6基のエンジンは、すべて新型の「Raptor 3(ラプター3)」に変更。Super Heavyはグリッドフィンの形状・数・取り付け位置が変更され、Starship宇宙船にはドッキング用のハードウェアも搭載されています。
宇宙船とブースターで推進システムに関連したトラブルか
新型の初飛行ということもあって、飛行中にはいくつかのトラブルも起きています。リフトオフから約2分30秒後にStarship宇宙船を分離したSuper Heavyブースターは、予定よりも30秒ほど早く、リフトオフから約6分15秒後に海上へ着水しました。分離後の減速噴射では点火できたエンジンの数が不足し、着水前の着陸噴射でも十分な減速が行えなかった可能性があります。
一方、Starship宇宙船も真空用エンジン3基のうち1基が停止した状態で飛行することとなり、予定よりも1分ほど長いエンジン燃焼が行われました。SpaceXの公式ライブ配信では、エンジンの根元からガスが漏れているように見えました。また、軌道上では過去の飛行試験と同様にエンジン1基の再点火テストを行う予定でしたが、実際には行われないまま大気圏に再突入しています。
ミッション全体としては、Super HeavyブースターとStarship宇宙船の両方が上昇燃焼を終了し、最終的に宇宙船がインド洋への着水に成功。Starlinkシミュレーター22基の放出には成功したものの、エンジンの軌道上再点火は実施できず、となりました。ブースターと宇宙船のトラブルは、どちらもエンジンや推進剤の供給といった推進システムに関連するとみられ、次の飛行試験でクリアできるかが注目されます。
Starship第12回飛行試験については、SpaceXから新しい情報が発表され次第お伝えします。
【更新:2026年5月23日11時15分】本文を一部更新しました。
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文・編集/sorae編集部
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