
アメリカ企業SpaceX(スペースX)は日本時間2025年10月14日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第11回飛行試験を実施しました。
前回に続いてペイロード放出試験等の後にインド洋へ着水成功
アメリカ・テキサス州のStarbase(スターベース)から日本時間2025年10月14日8時23分(アメリカ中部夏時間2025年10月13日18時23分)に発射されたStarshipは、1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と、2段目のStarship宇宙船の双方が、予定されていた上昇燃焼を終了。Starship宇宙船は発射から約9分後(※発射からの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)にエンジンを停止し、軌道到達に成功しました。
今回はSuper Heavyブースターの発射台への帰還は実施されず、海上への着水が行われています。これまでのSuper Heavyブースターの帰還では、着陸燃焼の最終段階で稼働するのは全33基のエンジンのうち中央の3基のみでしたが、今回は次世代のブースターで計画されている5基のエンジン(中央の3基とその周囲にある10基のうち2基)を稼働させる新しい構成のテストが実施されました。
Starship宇宙船を分離して降下したSuper Heavyブースターは、内側の合計13基のエンジンで着陸燃焼を開始し、5基のエンジンを残してコースを調整。さらに2基を停止して中央の3基のみでホバリング状態に入ると、間もなく全エンジンを停止して海面に到達し、発射から約6分半後に飛行を終えました。
一方、Starship宇宙船は発射から約18分~25分後にかけて、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」用の次世代通信衛星と同じサイズ・同じ重量を模倣したペイロード「Starlink simulator」の放出試験を実施。発射から約38分後には2025年8月の第10回飛行試験以来、全体では3回目となる、全6基のエンジンのうち1基を宇宙空間で再点火するテストも実施されました。
その後、Starship宇宙船は大気圏再突入を開始し、発射から約45分後には高度100kmまで降下しました。今回の試験では将来のStarship宇宙船の発射台への帰還実施に向けて、降下時の飛行経路を調整するための機体のバンク操作が行われました。Starship宇宙船は発射から約1時間6分後にエンジンを点火して姿勢の変更と減速を行い、インド洋へ着水して飛行を終えています。
Starship第11回飛行試験については、SpaceXから新しい情報が発表され次第お伝えします。【最終更新:2025年10月14日10時11分】
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Starshipとは
Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長123mの再使用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。
推進剤に液体メタンと液体酸素を使用する「Raptor(ラプター)」エンジンをStarship宇宙船は6基(大気圏内用3基・真空用3基)、Super Heavyブースターは33基搭載しています。
SpaceXによると、両段を再使用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げ可能。2段目のStarship宇宙船は単体でも準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能で、地球上の2地点間を1時間以内に結べるとされています。
SpaceXはアメリカ・テキサス州の同社施設「Starbase」を拠点にStarshipを開発していて、Super Heavyブースターも含めたStarship打ち上げシステム全体の飛行試験は2023年4月から実施されています。
なお、2025年1月の第7回飛行試験から使用されている第2世代のStarshipは今回が最後の飛行で、次回からはStarship宇宙船・Super Heavyブースターともにアップグレードされた第3世代のStarshipが飛行する予定だということです。
文・編集/sorae編集部
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