広告
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESO)

今回紹介するのは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2017年8月16日に公開した、クラゲ銀河「JW100」を立体的に可視化した画像です。ESOの超大型望遠鏡VLTに搭載された面分光装置「MUSE(Multi-Unit Spectroscopic Explorer)」の観測データをもとに作成されました。

ESOの超大型望遠鏡VLTに搭載されたMUSE装置の観測データをもとに立体可視化されたクラゲ銀河「JW100」。銀河本体から剥ぎ取られたガスと若い星が、触手のように伸びている(Credit: ESO)
【▲ ESOの超大型望遠鏡VLTに搭載されたMUSE装置の観測データをもとに立体可視化されたクラゲ銀河「JW100」。銀河本体から剥ぎ取られたガスと若い星が、触手のように伸びている(Credit: ESO)】

なお、この画像は観測された光の強度や波長の違いを視覚的にわかりやすくするため擬似的に着色されたもので、肉眼でクラゲ銀河を見た場合にこのような色合いに見えるわけではありません。

クラゲ銀河とは

クラゲ銀河(jellyfish galaxy)とは、銀河団の中を高速で移動する際に「ラム圧」と呼ばれる圧力を受けてガスを剥ぎ取られ、触手のような長い尾を引く銀河のことです。銀河団には高温のガスが広がっており、そこへ銀河が高速で進入すると、強烈な向かい風のように作用します。この力によって銀河の円盤からガスが引き剥がされ、数万光年にもわたる触手状の構造が形成されます。

広告

この立体可視化画像が特徴的なのは、通常の平面画像に対し、「波長」という第3の軸を加えている点です。MUSEは視野内の各位置でスペクトルを取得できるため、ガスの速度分布を空間情報とあわせて立体的に表すことができます。画像左側に見える銀河本体の円盤と、右側に伸びる触手部分とでは速度が異なるため、波長軸に沿って分離して見えています。

2017年当時、MUSEを使って複数のクラゲ銀河を観測した研究チームは、調査した7つのうち6つで、中心の超大質量ブラックホールが周囲のガスを取り込んで活発に活動している兆候を発見しました。ラム圧によって外側へ吹き飛ばされるはずのガスの一部が、逆に銀河中心へ流れ込み、超大質量ブラックホールに供給されている可能性を示した予想外の結果でした。

ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した渦巻銀河「JW100」(右下)と楕円銀河「IC 5338」(左上)(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team)
【▲ 参考画像:ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した渦巻銀河「JW100」(右下)と楕円銀河「IC 5338」(左上)(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team)】

 

編集/sorae編集部

関連記事

参考文献・出典

元記事を読む