
アメリカ企業SpaceX(スペースX)は日本時間2025年9月30日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による無人での第11回飛行試験に向けて準備を進めていると発表しました。
直近のStarship打ち上げ目標日時は、日本時間2025年10月14日8時15分(アメリカ中部夏時間2025年10月13日18時15分)です。
Starshipとは?

Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長123mの再使用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。
推進剤に液体メタンと液体酸素を使用する「Raptor(ラプター)」エンジンをStarship宇宙船は6基(大気圏内用3基・真空用3基)、Super Heavyブースターは33基搭載しています。
SpaceXによると、両段を再使用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げ可能。2段目のStarship宇宙船は単体でも準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能で、地球上の2地点間を1時間以内に結べるとされています。
SpaceXはアメリカ・テキサス州の同社施設「Starbase(スターベース)」を拠点にStarshipの開発を進めています。Super Heavyブースターも含めたStarship打ち上げシステム全体の飛行試験は、2023年4月からこれまでに合計10回実施されました。

2025年8月に実施された直近の第10回飛行試験では、第7回飛行試験から採用されている新世代のStarship宇宙船が、初めてインド洋への着水に成功しました。
宇宙空間を飛行中には、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」用の次世代通信衛星と同じサイズ・同じ重量を模倣した「Starlink simulator」8基の放出と、エンジン1基の再点火テストも実施されました。
また、Super Heavyブースターは帰還の最終段階で使用される3基のエンジンのうち1基を意図的に停止し、その外側にあるエンジンの1基をバックアップに使用するテストを行い、当初の予定通りメキシコ湾(米国での表記はGulf of America)への着水に成功しています。
Starship宇宙船は発射台への帰還を模したテストを予定

SpaceXによると、Starship第11回飛行試験では、将来の発射場への帰還を想定したStarship宇宙船の操作テストが行われます。
今回の試験でもStarship宇宙船が実際に到達するのは従来と同じインド洋ですが、降下の最終段階ではStarbaseに帰還する際の飛行経路を模倣するために、機体の動的なバンク操作が行われます。
この他にも、前回同様にStarlink衛星を模倣したペイロード8基の放出テストや、エンジン1基の宇宙空間での再点火テストも実施される予定です。
Super Heavyブースターは第8回飛行試験で帰還した機体の再使用

一方、Super Heavyブースターは今回も発射台には帰還せず、メキシコ湾への着水までに複数の試験が実施されます。第11回飛行試験で使用されるブースターは2025年3月の第8回飛行試験で使用され、発射台への帰還に成功した機体です。
Super Heavyブースターの33基のエンジンは3重のリング状に配置されていて、帰還の最終段階では中央の3基だけが使用されますが、今回は5基のエンジンを稼働させる新しい構成がテストされます。着陸噴射の終了時には中央の3基だけに切り替えてホバリング状態に入り、その後はエンジンを停止して海面に落下します。
SpaceXによると、今後登場する次世代のSuper Heavyブースターではエンジン停止に対する冗長性を向上させるために、降下時の軌道を微調整する区間では5基を使用することが基本的な設計として計画されているということです。
改良版Starship宇宙船として初のインド洋到達をはじめ、ペイロード放出テストやエンジン再点火に成功した前回に続き、今回も目的通り試験が実施できるかどうか。Starshipの飛行試験に引き続き注目です。
文・編集/sorae編集部
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