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なにに見える? “とも座”で赤く輝くHII領域「Gum 10」と「Gum 11」

こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VST(VLTサーベイ望遠鏡)」が観測した、とも座のHII(エイチツー)領域「Gum(ガム)10」と「Gum 11」です。

ESOのVST(VLTサーベイ望遠鏡)で観測したHII領域「Gum 10」と「Gum 11」(左)(Credit: ESO/VPHAS+ team)
【▲ ESOのVST(VLTサーベイ望遠鏡)で観測したHII領域「Gum 10」と「Gum 11」(左)(Credit: ESO/VPHAS+ team)】

星雲が描き出した不思議な模様

赤やオレンジ色に輝く、複雑に入り組んだ星雲の形を見て、あなたは何を想像するでしょうか?

ESOは「地面の種をついばむニワトリ」や「ドラゴンの頭」を例にあげていますが、全く異なる形に見える人もいるかもしれません。このような、本来はランダムな模様の中に何らかの意味のある形や顔を見出してしまう心理現象は「パレイドリア」と呼ばれています。

赤い輝きと黒い筋が見える理由

電離水素領域とも呼ばれるHII領域は、生まれたばかりの若い大質量星の放射する紫外線によって電離した水素ガスが放つ赤色の光(Hα線)が観測される領域で、輝線星雲の一種です。ガスと塵(ダスト)が集まった雲から新たな星が生み出されていることから、星形成領域とも呼ばれます。

画像の大小ふたつに分かれた赤色の雲のうち、大きく明るいほうが「Gum 10」。一方、左下に少し離れている、小さくてやや暗いほうが「Gum 11」です。Gum 10とGum 11は、どちらも南半球の夜空で観測される星雲であり、新しい星が次々と誕生しているより大きな星形成領域の一部を構成しています。

赤く輝く星雲の中には、まるで血管のように入り組んだ、無数の黒い筋や暗い影が見えます。これは、高密度に集まった塵が背後からの光をさえぎることで、黒いシルエットとして浮かび上がっている部分です。新たな星々が誕生するのは、このようにガスや塵が濃く集まった部分なのです。

VSTのファーストライト15周年記念画像

この画像は、ESOのパラナル天文台(チリ)にあるVSTで取得したデータを使って作成されました。INAF(イタリア国立天体物理学研究所)が運用を管理するVSTは、天の川銀河における星のライフサイクルをより深く理解することを目的とした大規模な観測プロジェクト「VPHAS+」で用いられています。

冒頭の画像はVSTのファーストライト15周年を記念して、ESOから2026年6月8日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典