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こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した星形成領域「LHA 120-N 11」、通称「N11」。

かじき座の方向、約16万8000光年先にあります。

ハッブル宇宙望遠鏡が観測した大マゼラン雲の星形成領域「LHA 120-N 11」(Credit: NASA, ESA and Jesús Maíz Apellániz (Instituto de Astrofísica de Andalucía, Spain))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した大マゼラン雲の星形成領域「LHA 120-N 11」(Credit: NASA, ESA and Jesús Maíz Apellániz (Instituto de Astrofísica de Andalucía, Spain))】

星形成領域とは、宇宙空間に漂うガスや塵(ダスト)が重力によって集まり、新しい星が生まれている場所のこと。その役割から「星のゆりかご」とも呼ばれています。

星形成領域では生まれたばかりの若い星々が周囲のガスを電離して輝かせたり、豊富な塵に光が反射したりすることで、美しい星雲としての姿を私たちに見せてくれます。

活発に星々を形成する“星のゆりかご”

N11は、天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)のひとつである大マゼラン雲(Large Magellanic Cloud: LMC)の中でも、特に活発な星形成領域のひとつとして知られています。

冒頭の画像では、全体に広がる鮮やかなピンク色のガス雲と、複雑に入り組んだ暗い塵の帯の様子が描き出されています。その綿菓子のようなふわふわとした外見から、N11は観測者の間で「Bean Nebula(豆星雲)」の愛称で呼ばれることもあるといいます。

特徴的な空洞やリング状の構造は、新しく生まれた星々から吹き出す強烈な紫外線や恒星風(星からのガスの流出)が、周囲のガスや塵を吹き払うことで形成されました。中心から外側に向かって波及するように、3つの異なる世代の星たちが次々と誕生してきたN11の美しさは、星の誕生プロセスが作り出した芸術作品とも言えます。

また、画像の左上隅には、赤く輝くコンパクトな星雲「LHA 120-N 11A」があります。ここはN11の中でも特に若く活動的な場所で、内部の大質量星の光に照らされることで、まるで宇宙に咲いたバラのような姿を見せています。

こうした近傍宇宙の“星のゆりかご”を詳細に観測することで、天文学者たちは星がどのように生まれ、どのように進化していくのかという星のライフサイクルを、より深く理解することができるのです。

冒頭の画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)やESA(ヨーロッパ宇宙機関)から2010年6月22日付で公開されたもので、NASAの公式Xアカウントが2026年2月7日付で改めて紹介しています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典