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若き星々が輝く大マゼラン雲の星形成領域「N159」 ハッブル宇宙望遠鏡が観測

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測したHII(エイチツー)領域「N159」。

かじき座の方向・約16万光年先、天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)のひとつ「大マゼラン雲(大マゼラン銀河)」にあります。

全体では幅150光年にわたる広大な領域で、ここに写っているのはその一部。

赤々と着色されたその光景は、繊細ながらも力強く、まるで生命の息吹のような印象を抱かせます。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した大マゼラン雲のHII領域「N159」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Indebetouw)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した大マゼラン雲のHII領域「N159」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Indebetouw)】

電離水素領域とも呼ばれるHII領域は、若い大質量星の放射する紫外線によって電離した水素ガスが放つ赤色の光が観測される領域で、輝線星雲の一種です。

ガスと塵(ダスト)が集まった雲から新たな星が生み出されていることから、星形成領域とも呼ばれます。

大マゼラン雲では星形成活動が活発で、有名な「タランチュラ星雲(Tarantula Nebula)」など、いくつもの星形成領域が存在しています。

N159も、そんな大マゼラン雲にあるHII領域のひとつです。

画像の明るい領域では若い高温の大質量星が周辺に影響を及ぼしていて、強力な電磁放射と恒星風によってガスの中に泡のような空洞が形成されています。また、画像の中央には背後の星々の輝きによって影絵のように浮かび上がった、塵が豊富な暗黒星雲が広がっています。

大マゼラン雲の星形成活動は、近くにあるもうひとつの衛星銀河「小マゼラン雲(小マゼラン銀河)」から引き出されたガスが、大マゼラン雲のガスと衝突・圧縮したことで活発化したと考えられています。

ハッブル宇宙望遠鏡は、星形成活動によって誕生した星々と、星の材料となる物質が相互作用するN159の光景を通じて、大マゼラン雲で繰り返される創造と変容のサイクルを捉えています。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」と「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータを使って作成されたもので、“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESA=ヨーロッパ宇宙機関から2025年12月29日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典