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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

今回紹介するのは、天の川銀河を高速で移動するブラックホール連星「GRO J1655-40」を描いた想像図で、ESA/Hubbleから2002年11月18日付で公開されました。天の川銀河は斜め上からの視点で描かれていて、画像内の黄色い星は、太陽の位置を示す目印として描かれたものです。

天の川銀河を高速で移動するブラックホール連星「GRO J1655-40」の想像図。黄色い星は太陽(Credit: ESA, NASA and Felix Mirabel[French Atomic Energy Commission & Institute for Astronomy and Space Physics/CONICET of Argentina])
【▲ 天の川銀河を高速で移動するブラックホール連星「GRO J1655-40」の想像図。黄色い星は太陽の位置を示している(Credit: ESA, NASA and Felix Mirabel[French Atomic Energy Commission & Institute for Astronomy and Space Physics/CONICET of Argentina])】

GRO J1655-40は、さそり座の方向、地球から約5500光年先に位置すると考えられている連星系です。恒星質量ブラックホールと年老いた恒星で構成されており、2つの天体は約2.6日周期で互いを公転していると考えられています。

恒星質量ブラックホールは、太陽の数倍から十数倍ほどの質量を持つブラックホールで、一般に大質量星が進化の最後に重力崩壊することで形成されると考えられています。GRO J1655-40では、伴星から流れ出した物質がブラックホールへ落下する過程でX線が放射されるほか、光速の約90%に達するジェットも噴き出しています。

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このような天体は、活動銀河の中心にあるクエーサーを小規模にしたような性質を持つことから「マイクロクエーサー(microquasar)」と呼ばれます。

この想像図が描かれた目的とは

ブラックホールは強い重力によって光さえ脱出できず、自ら光を放つこともないため、その姿を直接捉えることはできません。

そこで当時の研究チームは、ブラックホールとともに連星をなす伴星に注目しました。ハッブル宇宙望遠鏡が1996年と2001年にGRO J1655-40を撮影した画像を比較し、地上の望遠鏡による観測結果も加えて、連星系の運動を調べたのです。

観測の結果、GRO J1655-40は秒速112km、時速にすると約40万kmで天の川銀河の円盤面を移動していることが明らかになりました。これは太陽系周辺にある恒星の平均的な速度の約4倍です。さらに、この連星系が銀河中心をめぐる軌道はかなり細長い形をしていました。研究チームは、ブラックホールのもとになった大質量星が超新星爆発を起こしたときの反動で、連星系が現在の軌道へ蹴り出されたと考えています。これは、GRO J1655-40のブラックホールが超新星爆発にともなって形成され、その際に強い反動を受けたことを示す、当時としては有力な証拠となりました。

ただし、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像に写っているのは、数年の間に伴星の位置がわずかに変化したという情報だけです。この観測から導き出された連星系の運動を銀河規模の視点で表現するために、天の川銀河を斜め上から描いた想像図が研究成果とともに公開されました。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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