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こちらは、スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer)が観測した星形成領域「Westerhout 40(W40)」。

へび座の方向、約1400光年先にあるW40は赤色の翅を広げた蝶のようにも見えることから、NASA=アメリカ航空宇宙局はその姿を「Space Butterfly(宇宙の蝶)」と表現しています。

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer)が観測した星形成領域「Westerhout 40(W40)」(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer)が観測した星形成領域「Westerhout 40(W40)」(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

W40の正体は、ここで誕生した大質量星が放出する強力な電磁波と星風によって形作られた、高温の星間ガスでできた巨大な泡状の構造です。

星形成領域は、ガスと塵(ダスト)が集まった雲から新たな星が生み出されている場所です。若い星の放射する紫外線によって電離した水素ガスが放つ赤色の光が観測されることから、電離水素領域やHII(エイチツー)領域、輝線星雲と呼ばれています。

誕生した星々は電磁波や星風、超新星爆発を通じて物質を放出していきます。W40もこうした活動を通じて形成されましたが、同時に星の材料となるガスや塵が吹き飛ばされて密度が下がることで、新しい星が生み出されにくくなったり、星形成そのものが停止したりすることになります。

また、W40の右上には「Serpens South」と呼ばれる星団が写っています。W40とSerpens Southの星々はどちらも形成から数百万年と若いものの、Serpens Southのほうはまだガスや塵に包まれた状態。いつの日か、Serpens Southも現在のW40のような姿を見せることになるかもしれません。

冒頭の画像は、NASAが2020年1月まで運用していたスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線カメラ「IRAC」で取得したデータを使って作成されたもので、2019年3月27日付で公開されました。

本記事は2019年3月29日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典