
こちらは、太陽系の周辺に広がる星形成領域を描いたアニメーション動画。太陽から半径4000光年以内の範囲が、実際の観測データをもとに3Dで再現されています。
【▲ ESAの宇宙望遠鏡「Gaia(ガイア)」の観測データを使って作成された太陽系近傍の星形成領域の3Dマップ(Credit: ESA/Gaia/DPAC, S. Payne-Wardenaar, L. McCallum et al (2025), CC BY-SA 3.0 IGO; Music: My Story - Echoes Of The Heart)】
ガスと塵(ダスト)が集まった雲から新たな星が生み出されている星形成領域では、若い星の放射する紫外線によって電離した水素ガスが放つ赤色の光が観測されます。こうした領域は電離水素領域やHII(エイチツー)領域、輝線星雲と呼ばれています。
次の動画では、まるで光の速度を超えて飛行するような視点で、星形成領域を次々に巡っていきます。オリオン大星雲(Orion Nebula)、北アメリカ星雲(North America Nebula)、干潟星雲(Lagoon Nebula)といった星雲の近くを通過した後、最後はマップの中心にある太陽にたどり着きます。
【▲ ESAの宇宙望遠鏡「Gaia(ガイア)」の観測データを使って作成された太陽系近傍の星形成領域の3Dマップ(Credit: ESA/Gaia/DPAC, S. Payne-Wardenaar, L. McCallum et al (2025), CC BY-SA 3.0 IGO; Music: My Story - Echoes Of The Heart)】
3Dマップの作成に使用されたのは、ESA=ヨーロッパ宇宙機関が運用していた宇宙望遠鏡「Gaia(ガイア)」のデータです。若く大質量で非常に温度が高いO(オー)型星87個をはじめ、4400万個の星々の観測にもとづいています。
Gaiaは天体の位置や運動について調べるアストロメトリ(位置天文学)に特化した宇宙望遠鏡です。目的は、数多くの星々の年周視差や固有運動、明るさの変化といった情報を数年にわたって取得し、天の川銀河のより正確な三次元マップを作成すること。
2013年12月に打ち上げられたGaiaは、太陽と地球の重力や天体にかかる遠心力が均衡するラグランジュ点のひとつ「L2」(地球からの距離は約150万km)を周回するような軌道に移動し、2014年7月から2025年1月までの10年半にわたって科学観測を行いました。
人類は天の川銀河を外から見ることはできませんが、星々の精密な位置を測定したGaiaをはじめ様々な観測で得られたデータを用いて可能な限り正確な3Dマップを作成することで、あたかも他の銀河を観測するかのように、太陽系近傍の星形成領域を立体的に把握することが可能となったのです。
マップを作成した研究チームを率いるセント・アンドリューズ大学のLewis McCallumさんは、太陽から4000光年以内をマッピングするだけでも膨大な計算能力が必要だったと振り返ります。McCallumさんは、Gaiaの新しいデータセットが公開されればさらに遠い範囲までの3Dマップを作成する予定だということです。
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文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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