
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、NASAのゴダード宇宙飛行センターが2023年1月9日付で公開した、中性子星どうしの合体を描いたシミュレーション動画です。互いの周りを回る2つの中性子星が合体する過程を、密度の変化は色で、重力波の周波数の変化は音で表現しています。
密度の違いは色で示されていて、黄白色は密度が最も高く、濃い紫色は密度が最も低いことを表しています。天体の中心部は最も密度の高い黄白色で、周辺部はオレンジ色や赤色に変わります。紫色は中性子星から引きはがされた物質や、軌道上で渦を巻いている物質です。
動画内の42秒付近で2つの中性子星が合体すると、重力波の周波数は一気に数千Hzの領域へ高まります。画面中央には、合体してできた黄色い天体が、マゼンタ色や紫色で示された放出物質に包まれる様子が映し出されます。
合体後にできた天体は、主に2つの周波数成分を行き来するような揺らぎを示します。こうした、ほぼ周期的でありながら完全には一定ではない変動は「準周期的振動」(Quasi-Periodic Oscillation:QPO)と呼ばれています。
このシミュレーションの中にQPOの信号が現れたことは、実際の観測データを調べるきっかけにもなりました。研究チームは「中性子星の合体で生じるショートガンマ線バーストの光にも、同じような信号が隠れているのではないか」と考え、過去に観測された700件のショートガンマ線バーストを調査しました。
その結果、NASAのコンプトン・ガンマ線観測衛星(Compton Gamma Ray Observatory)に搭載されていた観測装置「BATSE」が、1991年7月11日と1993年11月1日に観測した2つのバーストから、QPOの候補とみられるガンマ線の明滅パターンが報告されました。シミュレーションで示された現象が、過去の観測データに眠っていた手がかりを見つけ出す助けになったのです。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- Video Credit: NASA's Goddard Space Flight Center and STAG Research Centre/Peter Hammond
- NASA Goddard Media Studios - NASA's Compton Mission Glimpses Supersized Neutron Stars
- Chirenti, C. et al. "Kilohertz quasiperiodic oscillations in short gamma-ray bursts" Nature, 2023
























