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こちらは、ハワイのすばる望遠鏡が観測した銀河「NGC 3504」と「NGC 3512」。しし座からこじし座にかけての方向、約8000万光年先にあります。

すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC」で観測した銀河「NGC 3504」(右下)と「NGC 3512」(左上)(Credit: 国立天文台/田中賢幸)
【▲ すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC」で観測した銀河「NGC 3504」(右下)と「NGC 3512」(左上)(Credit: 国立天文台/田中賢幸)】

この画像は、国立天文台がすばる望遠鏡に設置した超広視野主焦点カメラ「HSC(ハイパー・シュプリーム・カム)」で撮影されました。無数の遠方銀河や星々が散りばめられた暗黒の宇宙空間に、まるでオアシスのように2つの大きな銀河が浮かび上がっています。

右下に位置するNGC 3504は、輝く中心部を貫く一本の光の帯と、それを大きく取り巻く明るいリングが目を引きます。一方、左上に位置するNGC 3512は、幾重にも複雑に枝分かれしながら広がる柔らかな渦巻き模様が特徴的です。

近くにありながら干渉し合わない2つの銀河

宇宙空間で銀河どうしが接近すると、互いの強い重力によって形が大きくゆがんだり、星の材料となるガスが引き寄せられたりする重力相互作用がしばしば発生します。

国立天文台によると、NGC 3504とNGC 3512は地球から見て同じ方向にあるだけでなく、実際の宇宙空間でも比較的近い距離にある銀河のペアだと考えられています。しかし現在のところ、この2つの銀河の間には互いに重力的な影響を及ぼし合っている明確な兆候は見つかっていません。

爆発的に星を形成するNGC 3504

画像右下のNGC 3504は棒渦巻銀河に分類されます。中心部を横切る棒状構造を持ち、そのすぐ周りを明るいリング構造が取り囲んでいるのがはっきりと見て取れます。国立天文台によれば、NGC 3504は通常の銀河をはるかにしのぐペースで新しい星々を次々と生み出すスターバースト銀河としても知られています。

近年の研究では、棒状構造が星の材料となるガスを銀河の中心部へと効率よく運び込む役割を果たしていることが指摘されています。NGC 3504は、このような棒状構造と活発な星形成活動との関係を探る上で、格好の研究対象となっています。

複雑な腕を広げるNGC 3512

一方、画像左上のNGC 3512は、棒構造を持たない通常の渦巻銀河に分類されます。NGC 3504のような際立ったリング構造は見られませんが、そのかわりによく発達し、複雑に枝分かれした美しい渦巻腕を持っています。中心部で活発に星を生み出すNGC 3504とはまた違った、穏やかながらに複雑な内部構造を持つ銀河です。

冒頭の画像は国立天文台から2026年6月24日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典