
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、NASAのゴダード宇宙飛行センターが2019年1月7日付で公開した、太陽系外惑星「K2-288Bb」と、その主星である「K2-288B」を描いた想像図です。地球から約226光年先に位置しています。

地球の約2倍サイズの“温暖な”系外惑星
K2-288Bbは、2つの低温なM型星からなる連星「K2-288」のうち、より暗く小さな星「K2-288B」を約31.3日周期で公転しています。半径は地球の約1.9倍で、海王星のおよそ半分にあたります。岩石を主体とする系外惑星なのか、海王星のようにガスに富む系外惑星なのかは、まだ分かっていません。
軌道は、液体の水が惑星表面に存在し得る「ハビタブルゾーン」に入る、またはその付近にあると考えられています。一方で、地球の約1.9倍という半径は、「半径の谷」と呼ばれるサイズの区分に含まれます。比較的短い周期で恒星を公転する系外惑星の統計では、半径が地球の1.5~2倍ほどの天体が少ないことが知られており、このぽっかりと空いた“谷間”は、岩石主体の「スーパーアース」と、ガスをまとった「ミニ・ネプチューン」の違いを探るうえで注目されています。
ハビタブルゾーン付近を公転し、なおかつ「半径の谷」に区分されるK2-288Bbは、系外惑星の多様性を考えるうえでも興味深い天体です。
研究者が見落とした信号を、市民科学者が発見
K2-288Bbの発見には、市民科学者の協力が大きな役割を果たしました。
手がかりとなったのは、NASAのケプラー宇宙望遠鏡による延長ミッション「K2」の観測データです。研究チームは当初、系外惑星が恒星の手前を横切る「トランジット」の信号を2回分だけ確認していました。系外惑星候補の存在を確かめるには十分ではなく、もう1回のトランジット信号を確認する必要があったのです。
実は、ケプラー宇宙望遠鏡の姿勢が安定しきらない時期の影響を避けるため、冒頭にあたる数日分の観測データが除外されていました。まさにその除外された部分に、3回目のトランジット信号が隠れていたのです。
その後、データが再処理され、市民科学プロジェクト「Exoplanet Explorers」に公開されました。2017年5月、市民科学者たちがこの信号に気づき、議論を始めたことが研究者の注目を集めました。研究チームは追加観測や既存データの調査を行い、K2-288Bbが系外惑星であることを確認しました。
その当時のNASAの発表では、研究を主導したAdina Feinstein氏が「市民科学者の鋭い目が、研究チームが見落としていた信号へ導いてくれた」という趣旨のコメントをしています。
初期解析で見落とされていた信号から見つけ出されたK2-288Bb。その発見は、公開データと市民科学が系外惑星研究を進める力になることを示す一例となったのです。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA/JPL - Citizen Scientists Find New World with NASA Telescope
- NASA/JPL - K2-288Bb (Artist's Illustration)
- Feinstein, et al. - K2-288Bb: A Small Temperate Planet in a Low-mass Binary System Discovered by Citizen Scientists(The Astronomical Journal)
- Feinstein, et al. - K2-288Bb: A Small Temperate Planet in a Low-mass Binary System Discovered by Citizen Scientists(arXiv)
























