
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した楕円銀河「ESO 306-17」です。はと座の方向、地球から約5億光年先にあります。

ダークマターの海に浮かぶ孤独な銀河
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、ESO 306-17は非常に明るい巨大な楕円銀河です。その直径は約40万光年(※天文データベースSIMBADのデータにもとづく概算)にも達します。
画像を見ると、左下の銀河がESO 306-17のすぐ近くにあるように思えますが、実際にはもっと手前に位置しています。ESO 306-17は、ダークマター(暗黒物質)と高温ガスの広がる広大な空間に、孤独に存在している銀河なのだといいます。
近隣の銀河をすべて飲み込んだ?
一般的に、銀河は銀河団や銀河群といった集団を形成し、互いに重力で影響を及ぼし合うことが多い天体です。太陽系がある天の川銀河も、過去に複数の小さな銀河を吸収して現在の姿になったと考えられていますが、周囲にはまだいくつもの衛星銀河(伴銀河)がありますし、少しはなれたところには「アンドロメダ銀河(M31)」などの大きな銀河も存在しています。
一方で、現在観測されているESO 306-17の近くには他の銀河がありません。ESAによれば、この銀河は周囲に存在していた銀河をすべて飲み込んでしまった結果、ぽつんと孤立した状態になってしまった可能性があると考えられています。
また、ESO 306-17のハロー(ぼんやりとした明るい光)の周辺には、数万~数百万の星が重力で集まった球状星団がいくつも存在しています。星が密集している球状星団は巨大な銀河による吸収をまぬがれることが多く、ESO 306-17の過去の歴史を解き明かすための重要な手がかりとして研究の対象となっています。
冒頭の画像はESA/Hubbleから2010年3月4日付で公開されたもので、ESAの関連SNSアカウントが2026年6月4日に改めて紹介しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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