
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、NASAが2021年10月6日付で公開した「木星に似た自由浮遊惑星」の想像図です。周囲に恒星は描かれておらず、暗い宇宙空間を単独で漂う惑星の姿が表現されています。
私たちがよく知る惑星の多くは、太陽のような恒星の周りを公転しています。一方、宇宙には恒星の周りを回らず、銀河の中を漂う惑星質量の天体もあると考えられています。こうした天体は「自由浮遊惑星」や「はぐれ惑星(Rogue Planet)」と呼ばれています。自由浮遊惑星は主星の光を反射して明るく見えるわけではないため、一般に発見が難しく、個々の天体の表面や雲の模様まで分かるような画像は得られていません。

この想像図は、2011年に発表された重力マイクロレンズ探査「MOA」の研究成果を背景に、NASA/JPL-Caltechが制作したものです。MOAでは、木星質量クラスの自由浮遊惑星が多数存在する可能性が示されました。
なぜ恒星を持たない惑星が存在するのか
自由浮遊惑星がなぜ存在するのかについては、主に2つの可能性が考えられています。ひとつは、もともと恒星の周りで誕生した惑星が、他の惑星との重力的な相互作用によって弾き飛ばされたというもの。もうひとつは、恒星が形成されるような環境で、惑星ほどの質量を持つ天体が単独で生まれたというものです。
また、その数の推定には大きな幅がありますが、天の川銀河には1兆個を超える規模の自由浮遊惑星が存在する可能性を示す研究もあります。恒星の数を上回る可能性も指摘されており、自由浮遊惑星は銀河に数多く存在する天体なのかもしれません。
重力マイクロレンズで見えない惑星を探す
自由浮遊惑星を見つける有力な方法のひとつが「重力マイクロレンズ」と呼ばれる手法です。惑星サイズの天体がたまたま遠方の恒星の手前を横切ると、その重力がレンズのように背景の恒星の光を曲げて一時的に明るくする現象が起きます。この明るさの変化を捉えることで、自ら強い光を放たない天体の存在を間接的に検出できます。
NASAが2026年8月の打ち上げを予定している「ナンシー・グレース・ローマン」宇宙望遠鏡は、広い視野を活かした大規模なマイクロレンズ探査を計画しています。ハッブル宇宙望遠鏡の少なくとも100倍の視野を持つローマンは、天の川銀河中心方向の星々を継続的に観測し、手前を通過する惑星質量天体によって生じるわずかな増光を探します。
NASAによると、ローマン宇宙望遠鏡は地球質量クラスの自由浮遊惑星を約400個発見できる可能性があると予測されています。現在知られている自由浮遊惑星はまだ限られていますが、ローマンによる観測が進めば、恒星を持たずに銀河を漂う惑星がどれほど存在するのか、またそれらがどのように生まれたのかを探る重要な手がかりが得られるかもしれません。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - A Jupiter-Like Rogue Planet Wanders Alone in Space
- NASA - New Study Reveals NASA's Roman Could Find 400 Earth-Mass Rogue Planets






















