
スペースワン株式会社は2026年8月30日、同年3月に打ち上げられたものの飛行中断に至った「カイロス(KAIROS)」ロケット3号機について、飛行中断の原因究明と対策に関する記者説明会を開催しました。
カイロスとは
カイロスはスペースワンが開発した全長約18mの4段式ロケット(固体3段+液体推進系キックステージ)です。
3号機はペイロードとして5機の衛星(約70kgの超小型衛星が1機と3UサイズのCubeSatが4機)を搭載して2026年3月5日に打ち上げられましたが、リフトオフ68.8秒後にロケットの自律飛行安全システムが作動して飛行中断が行われ、衛星の軌道投入に失敗しました。
カイロスの飛行中断は2024年3月の1号機、2024年12月の2号機に続き、3号機で3回目となります。


3号機の飛行中断は静電気が原因か
スペースワンによると、外部の有識者を含めた対策本部が原因究明を進めたところ、飛行中断に至ったきっかけは自律飛行安全システムの内部で発生した通信異常だったと結論付けられました。
具体的には、自律飛行安全システムを構成する2系統のうち1つにおいて、この系統で自律飛行安全を統括する「飛行安全管制機器」と、飛行安全管制機器からの指令に従って火薬を点火させる「飛行中断機器」のうち1段目に搭載されていた機器の間で通信異常が発生。これを受けて、必要な時に指令が届かず飛行中断機能を喪失するおそれがあると自律飛行安全システムが判断した結果、正常な飛行中断に至ったとされています。
飛行安全管制機器と第1段飛行中断機器の間で生じた通信異常の原因は、静電気とみられています。スペースワンによると、ロケットの機体に蓄積した静電気による電気ノイズが通信線に混入したことで通信ソフトウェアがリセットされ、一時的な通信途絶が発生した可能性が高いことがわかりました。調査・試験を進めたところ、通信経路に静電気を印加することで飛行中断機器の通信機能がリセットし、通信が途絶する場合があることも確認されたということです。
スペースワンは今後に向けた対策として、静電気の除去、機器のノイズ耐性の強化、リセット機能の修正といった重層的な施策を採用するとともに、自律飛行安全システム以外の電気機器などについても、水平展開および改善として同様の対策を講じると述べています。
また、早期の打ち上げを目指すとしている次の4号機では、これらの対策・改善に加えてカイロスの開発における未実証項目も含めた確認と検証を実施し、打ち上げに向けた準備を進めていくということです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- スペースワン株式会社「カイロスロケット3号機の飛行中断の原因と対策に関する説明会」(2026年8月30日)
- スペースワン株式会社「カイロスロケット3号機の打上げ結果について」
- スペースワン株式会社「KAIROS|ロケットの仕様」

























