2021年3月19日の日没直後にキュリオシティによって撮影された予想されるよりも早い時期に現れる雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)

【▲ 2021年3月19日の日没直後にキュリオシティによって撮影された予想されるよりも早い時期に現れる雲の画像。(Image Credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

火星にも四季があります。これは火星も地球と同じように自転軸が傾いているためです。ただ、火星の四季には、火星の公転軌道が楕円であるために、太陽との距離も影響があります。この点では地球の四季と異なります。

このような火星は、大気が非常に薄く(地球の大気圧の6/1000ほど)乾燥しているために、曇りの日は珍しいです。主に雲は赤道地方で冬の最も寒い時期にみられます。

しかし、2年前に科学者達は予想されるよりも早い時期に現れる雲に気がつきました。そして、今年、科学者達は、その雲が1月の末に最初に現れるのを待ち構えて、それを記録しました。

2021年3月19日にキュリオシティによって撮影されたシャープ山の上を漂う予想されるよりも早い時期に現れる雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)

【▲ 2021年3月19日にキュリオシティによって撮影されたシャープ山の上を漂う予想されるよりも早い時期に現れる雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

火星の普通の雲は、高度60kmほどのところにあり、水の氷(water ice)でできています。これに対して、今回の雲は普通の雲よりも高い高度にあり、おそらく二酸化炭素の氷(frozen carbon dioxide)でできています。

ただ、今回の雲の高度に関しては、まだ正確には解っていません。科学者達は、その高度を確定するために、手がかりを探しています。

そこで注目されているのが夜光雲です。日没直後にみられ、雲をつくっている氷の結晶が消えゆく太陽の光をとらえることで、雲が暗くなった空を背に輝いてみえます。この夜光雲を観測することで、今回の雲の高度を確定するための有益な手がかりが得られます。

2021年3月31日にキュリオシティによって日没直後に撮影された火星の夜光雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)

【▲ 2021年3月31日にキュリオシティによって日没直後に撮影された火星の夜光雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

次の画像もこの一連の観測のときに撮られました。真珠母雲と呼ばれる雲です。

2021年3月5日にキュリオシティによって撮影された火星の真珠母雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)

【▲ 2021年3月5日にキュリオシティによって撮影された火星の真珠母雲の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

淡く虹色に輝いていてとても綺麗です。これは雲をつくっている粒子がほぼ同じ大きさにそろっているためです。

宇宙科学研究所の大気科学者マーク・レモンさんは「赤、緑、青、紫など現れる色にいつも驚嘆させられます」と語っています。

NASAによると、これらの画像は科学者達が火星において雲がどのように形成されるのか、予想されるよりも早い時期に現れる雲がなぜ普通の雲と異なっているのかなどを理解する手助けになるそうです。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS&NASA/JPL-Caltech
Source: NASA
文/飯銅重幸

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