
こちらは、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の「ユークリッド(Euclid)」宇宙望遠鏡が観測した、天の川銀河の中心方向です。

6000万の星々が輝く天の川銀河の銀河バルジ
ESAによると、この画像は可視光線で撮影された天の川銀河の中心部の画像として、過去最大かつ最も詳細なものとなります。
満月よりも広い領域を一度に捉えられるユークリッド宇宙望遠鏡による、9回分の観測データを繋ぎ合わせて作成されたこの広大な画像の中には、実に6000万個以上もの星々が密集しています。
画面全体に広がる細かい砂粒のような背景は、銀河バルジと呼ばれる領域に集まっている星々です。銀河バルジは天の川銀河の中心に位置する、星が密集した巨大な構造であり、誕生から時間が経過した温度の低い星々で主に構成されています。この古い星々の集まりが、画像全体に特徴的な黄色みを帯びた輝きを与えています。
星の光をさえぎる暗黒星雲と新たな星が生まれる場所
無数の星々の間には、ところどころに星が存在しない暗い雲のような隙間があるように見えます。実際には、ここは星が欠けているわけではありません。これらの暗い領域は、塵(ダスト)を豊富に含む高密度の分子雲である「暗黒星雲」です。塵が背後にある銀河バルジの星々からの光を吸収・散乱させるため、地球からはその部分だけが暗く見えているのです。
また、画像の一部には赤みを帯びた領域も確認できます。これは活発に星を形成する「星形成領域」です。新しく生まれた青い大質量の星々が強烈な紫外線を放ち、周囲の水素ガスを電離させることで、このような淡い赤い光が生み出されています。
広大な視野を誇るユークリッド宇宙望遠鏡
今回の画像は、ユークリッド宇宙望遠鏡が2025年3月に約26時間かけて取得したデータを繋ぎ合わせて作成されました。
ESAによると、ユークリッドの「VIS(可視光カメラ)」は非常に広大な視野を持ち、1回の観測でハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡の「WFC3(広視野カメラ3)」と比べて270倍という広範囲を捉えつつ、圧倒的な数の星を個別に識別できる高い解像度を誇ります。冒頭の画像の場合、観測領域の面積は全体で4.8平方度に及びます。
なお、ユークリッドが取得したデータは単色(白黒)となります。そのため今回の公開画像では、ハワイのカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)が2025年の夏に取得したデータを後から組み合わせることで着色が施されています。
冒頭の画像はESAから2026年6月24日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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