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太陽系外惑星「GJ 3090 b」は恒星の自転と逆向きに公転? 最初から傾いた軌道で誕生した可能性

ジュネーブ大学の博士課程学生Yann Carteret氏を筆頭とする研究チームは、太陽系外惑星「GJ 3090 b」について、主星の自転方向とは逆向きに公転する逆行惑星であることが明らかになったとする成果を発表しました。

GJ 3090 bは地球から約73光年先の赤色矮星「GJ 3090」を約2.9日周期で公転しています。半径は地球の2.2倍、質量は4.5倍で、天の川銀河では一般的なサブネプチューン(※)に分類される天体です。研究チームの成果をまとめた論文は学術誌「Astronomy & Astrophysics」に掲載されています。

※…海王星よりも小さくて地球よりも大きく、厚いガスの大気を持つタイプの惑星。

傾いた逆行軌道を公転する惑星のイメージ図(Credit: ESO/L. Calçada)
【▲ 傾いた逆行軌道を公転する惑星のイメージ図(Credit: ESO/L. Calçada)】

観測で浮かび上がった逆行軌道

惑星は本来、若い星を取り囲む原始惑星系円盤の中で形成され、その公転軌道が描く平面は主星の自転軸とほぼ直交していると考えられています。たとえば地球の場合は、太陽の自転と同じ方向に公転(順行)しており、太陽の自転軸に対する公転軌道の傾きは直角から約7度しか違いません。

研究チームはラ・シヤ天文台(チリ)にあるESO(ヨーロッパ南天天文台)の3.6m望遠鏡を使用して、GJ 3090 bが主星であるGJ 3090の手前を横切る「トランジット」が起きた時の、GJ 3090の光の変化を精密に測定しました。

ロシター・マクローリン効果の概念図。惑星の軌道の傾きが小さい左のケースでは恒星は遠ざかったり近づいたりして見えるが、軌道の傾きが大きい右のようなケースでは遠ざかるか近づくかのどちらかに偏って見え(Credit: 東京大学、2012年のプレスリリース資料から)
【▲ ロシター・マクローリン効果の概念図。惑星の軌道の傾きが小さい左のケースでは恒星は遠ざかったり近づいたりして見えるが、軌道の傾きが大きい右のようなケースでは遠ざかるか近づくかのどちらかに偏って見える(Credit: 東京大学、2012年のプレスリリース資料から)】

自転している恒星の手前を惑星が横切る時、恒星の光の波長にはわずかな変化が現れ、あたかも地球に対してわずかに近づいたり遠ざかったりしているように見えます。簡単に言えば、地球から見て近づく側の半球を惑星が隠している時は遠ざかり、反対に遠ざかる側の半球を隠している時は近づいているように見えるのです。

この現象は「ロシター・マクローリン効果」と呼ばれていて、トランジットを起こしている惑星の軌道が主星の自転軸からどれくらい傾いているのかを知ることができます。

測定の結果、GJ 3090 bの公転軌道は約136度も傾いていることが明らかになりました。90度を超えているということは、GJ 3090 bは主星の自転方向とは逆向きに公転している逆行惑星ということになります。

伴星は未発見 傾いた円盤の中で形成された?

通常、このような公転軌道の乱れは質量の大きな伴星の重力によって生じると考えられています。研究チームによると、同じくらい傾いた軌道を公転する惑星の存在が知られている5つの惑星系は、いずれも伴星をともないます。

ところがGJ 3090 bの場合、主星から3天文単位以内の伴星や、15天文単位以内の木星よりも重い惑星は、どちらも見つかっていません。そのため研究チームは、主星のGJ 3090は誕生後に大きく傾いた円盤を獲得し、その中でGJ 3090 bが形成されたとする仮説を提唱しています。

天の川銀河で最も多い赤色矮星で見つかったGJ 3090 bの傾いた軌道は、太陽系のように“穏やかに”形成される惑星系ばかりではないことを物語るものと言えそうです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典