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メデューサを思わせる姿 超大型望遠鏡VLTが観測した惑星状星雲「Sh 2-274」

こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VLT(超大型望遠鏡)」で観測した惑星状星雲「Sh 2-274」。ふたご座の方向、地球から約1500光年先にあります。

ESOの「VLT(超大型望遠鏡)」で観測した惑星状星雲「Sh 2-274」(Credit: ESO)
【▲ ESOの「VLT(超大型望遠鏡)」で観測した惑星状星雲「Sh 2-274」(Credit: ESO)】

太陽のような比較的軽い恒星(質量は太陽の8倍以下)は、晩年を迎えると主系列星から赤色巨星に進化し、自身のガスや塵(ダスト)を外層から周囲の宇宙空間へと放出するようになります。

やがて、かつての中心核(コア)だけが中心星として残る頃になると、放出されたガスが中心星から放射された紫外線によって電離して、光を放つようになります。こうして誕生するのが惑星状星雲で、Sh 2-274もそのひとつです。

愛称は「メデューサ星雲」

Sh 2-274には「メデューサ星雲(Medusa Nebula)」という愛称があります。名前の由来は、ギリシャ神話に登場するゴルゴン三姉妹のひとりであるメデューサです。メデューサは髪の代わりに蛇を持つ姿として描写されており、Sh 2-274にみられる蛇行したフィラメント状(ひも状)のガスをその蛇にたとえた愛称です。

画像の左端に近いほど赤みが強く、中央にかけてはオレンジ色のガスが何本もの細い筋となって流れ、右側へ向かうにつれて緑や青みがかった色合いに移り変わっています。ESOによると、赤は水素、緑は酸素によるもので、どちらも画像の範囲をはるかに超えて広がっており、空では三日月のような形を描いているといいます。

ちなみに、画像の中央付近で一際明るく輝いている星は、この星雲を生み出した中心星ではありません。ESOによると、これは偶然手前に位置する星(TYC 776-1339-1)です。Sh 2-274の中心星はもっと暗い青みがかった星で、三日月形の中心からわずかに外れた画像右側に位置しています。

惑星状星雲か超新星残骸か

また、Sh 2-274には「Abell 21(エイベル21)」という別の名前もあります。この名前は、1955年にこの星雲を発見したアメリカの天文学者George Abell氏に由来します。

発見からしばらくの間、Sh 2-274は惑星状星雲なのか、それとも超新星爆発の後に残される超新星残骸なのかどうかが議論されていました。ESOによると、1970年代にSh 2-274のガスの動きなどを測定したところ、膨張速度は超新星残骸として予想される値よりもはるかに低い秒速約50kmだったことから、惑星状星雲だと特定されました。

惑星状星雲の中心星は数万年にわたってガスの雲に取り囲まれますが、その後は数千年かけてガスがゆっくりと周囲へ散っていきます。Sh 2-274は、約50億年後の遠い未来に太陽が迎える姿を一足先に垣間見せてくれています。

冒頭の画像はESOから2015年5月20日付で公開されました。

本記事は2020年7月10日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典