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ハッブル宇宙望遠鏡が地球周回20万周を達成 超新星の“再出現”に備えて銀河団を観測

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した銀河団「MACS J0417.5-1154」(以下「MACS J0417」)。エリダヌス座の方向、地球から約46億5000万光年先にあります。

ハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡が観測した銀河団「MACS J0417.5-1154」(Credit: NASA, ESA, STScI, M. Pascale (UCLA); Image Processing: J. DePasquale (STScI))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が観測した銀河団「MACS J0417.5-1154」(Credit: NASA, ESA, STScI, M. Pascale (UCLA); Image Processing: J. DePasquale (STScI))】

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、地球を95分ごとに1周しているハッブル宇宙望遠鏡は、アメリカの現地時間2026年9月19日に20万周目の節目を迎えました。この画像はその日に取得された観測データを使って作成したもので、銀河団は画像の中央、やや左寄りに位置しています。

同じ超新星が複数回現れる「重力レンズ」の不思議

MACS J0417のような銀河団は、その膨大な質量によって「重力レンズ効果」をもたらします。

重力レンズとは、手前にある天体の大きな質量によって周囲の時空間がゆがみ、その背後にある遠方の天体から発せられた光の経路が曲げられることで、遠方天体の像がゆがんだり拡大して見えたりする現象のこと。本来なら暗すぎて見えないような初期宇宙の天体でも、重力レンズを利用することで観測できる場合があります。

重力レンズ効果を受けて複数の像に分かれている遠方の銀河で超新星爆発が起こると、その光を複数の像で観測できる場合があります。しかも興味深いことに、各像の光が地球に届くまでの時間には経路が曲げられたことで時間差が生じているため、同じ超新星を数か月~数年の間を置いて複数回観測できる可能性もあるのです。

再出現が予測されている超新星「Athena」に備えて

MACS J0417ではジェームズ・ウェッブ(James Webb)宇宙望遠鏡の観測を通じて、2025年に重力レンズ効果を受けた遠方銀河で超新星が見つかりました。その後、この超新星は研究者から「Athena(アテナ)」と名付けられています。

ハッブル宇宙望遠鏡による今回のMACS J0417の観測は、Athenaの“再出現”に備えて行われました。NASAによれば、Athenaは今回の観測から2027年3月上旬頃までの間に再び現れると予測されています。

超新星が再出現するタイミングを知ることは、銀河団の質量分布の調査だけでなく、宇宙の膨張率を示す「ハッブル定数」のさらなる理解に役立つといいます。ハッブル定数は測定する方法によって値に食い違いが生じることが知られていますが、再出現したAthenaの観測で得られたデータは、宇宙の膨張速度をめぐる議論にも影響するかもしれません。

冒頭の画像はNASAから2026年9月23日付で公開されています。

スペースシャトル「アトランティス」から撮影されたハッブル宇宙望遠鏡。2009年5月19日撮影(Credit: NASA)
【▲ スペースシャトル「アトランティス」から撮影されたハッブル宇宙望遠鏡。2009年5月19日撮影(Credit: NASA)】

 

編注:記事中の距離は、天体から発した光が地球で観測されるまでに移動した距離を示す「光路距離」(光行距離)で表記しています。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典