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NASA天文衛星「スウィフト」科学観測が本格再開 運用困難な高度300kmには10月上旬~中旬に到達か

NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年9月25日付で、軌道上昇を断念し科学観測を再開していたガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」について、同年4月から停止していた「BAT(バーストアラート望遠鏡)」の使用を再開したことを発表しました。

NASAによると、一度に広範囲を観測できるBATのガンマ線検出にあわせてスウィフトの姿勢を自動で変更する運用も再開しました。空気抵抗の増加にともなって、スウィフトの高度は2026年10月上旬から中旬には300kmを下回るとみられています。

NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」のCGイメージ(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)
【▲ NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」のCGイメージ(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)】

民間の宇宙機による軌道上昇を計画もトラブルで断念

スウィフトは短時間で爆発的なガンマ線が放出される現象である「ガンマ線バースト」の観測を目的に、2004年11月に打ち上げられた天文衛星です。

搭載されている3基の望遠鏡でガンマ線・X線・紫外線・可視光線を捉えることで、ガンマ線バーストの発生検知からその残光の観測をはじめ、活動銀河や超新星爆発、太陽系内の小惑星や彗星といった天体や現象の観測を多波長で行うことが可能です。

打ち上げから20年以上が経つスウィフトの高度は、希薄な大気の抵抗を受けて低下し続けています。軌道を変更するためのエンジンを搭載していないスウィフトの高度を上昇させるべく、NASAはアメリカのKatalyst Space Technologies(カタリスト・スペース・テクノロジーズ)社と2025年9月に契約を締結し、同社が開発した無人宇宙機「LINK」による軌道の上昇が計画されました。

LINKは2026年7月に打ち上げられましたが、その後に姿勢制御のトラブルが発生。対策が講じられたものの解消できなかったことから、NASAはスウィフトの軌道上昇を断念するとともに、空気抵抗を抑えるために休止していた科学観測を再開。2026年8月26日には、同年2月から停止していた「UVOT(紫外線・可視光望遠鏡)」と「XRT(X線望遠鏡)」の使用が再開されていました。

残された時間を活かして観測を継続へ

NASAによると、残る1基の望遠鏡となっていたBATは2026年9月18日に較正が完了しました。全天の16%を同時に観測するBATが検出したガンマ線の方向へUVOTとXRTを向けるために、スウィフトには自動的に姿勢を変更する機能が備わっています。BATのデータ収集再開にあわせて、この姿勢変更についても同年9月21日に再開されています。

ただ、科学観測を再開したスウィフトの高度は再び急速に低下しており、NASAによれば今回の発表時点で高度約325kmまで下がっています。運用が困難になる高度300kmには、2026年10月上旬から中旬には到達する見込みだということです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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