【更新・延期】スペースワン、「カイロス」ロケット2号機の打ち上げ予定時刻を発表

【追記:2024年12月14日10時45分】スペースワン株式会社は2024年12月14日10時30分頃に「カイロス」ロケット2号機の打ち上げ日程を変更すると発表しました。新しい打ち上げ予定日時は発表され次第、改めてお伝えします。

【追記2:2024年12月14日13時0分】スペースワン株式会社は2024年12月14日12時50分から記者説明会を開催しました。本日の打ち上げ中止の理由は、射場上空(高度10km以上)の風速が条件に適さなかったためとされています。説明会の時点では決定していないものの、天候の条件が満たされれば翌日の2024年12月15日に再度打ち上げを目指すということです。


スペースワン株式会社は2024年12月12日付で、和歌山県のスペースポート紀伊から打ち上げられる同社の「カイロス(KAIROS)」ロケット2号機の打ち上げ予定日時を発表しました。

同社によると、カイロス2号機の打ち上げ予定日はすでに発表されている通り2024年12月14日で、打ち上げ予定時刻は11時0分0秒です。打ち上げ時間帯は11時0分0秒~11時20分0秒となるため、打ち上げ時刻はこの範囲内で再設定される可能性があります。また、打ち上げ予備期間は2024年12月15日~2024年12月27日です。

カイロス2号機はテラスペース株式会社の人工衛星「TATARA-1」、合同会社Space Cubics(スペースキュービクス)の超小型衛星「SC-Sat1」、台湾国家宇宙センター(TASA)の超小型衛星「PARUS-T1A」、株式会社ラグラポが支援する広尾学園の高校生によるプロジェクトで製作された超小型衛星「ISHIKI」、その他1機の超小型衛星(未公開)を高度約500kmの太陽同期軌道に投入する予定です。

なお、カイロス2号機の打ち上げは和歌山県や地元自治体などで構成されるスペースポート紀伊周辺地域協議会の「カイロスロケット2号機打上げ応援サイト」でライブ配信が行われる予定です。

カイロスとは

カイロスはスペースワンが開発した全長約18m・3段式の固体燃料ロケットで、ペイロードの軌道投入制度を高めるための液体推進系キックステージを備えています。同社は契約から打ち上げまでの「世界最短」と打ち上げ頻度の「世界最高頻度」を目指すとしています。

カイロス初号機は内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載して2024年3月13日に打ち上げられましたが、発射約5秒後にロケットの自律飛行安全システムによる飛行中断措置が自律的に行われて射場直上で爆発し、衛星の軌道投入は達成されませんでした。

スペースワンによると、初号機が飛行中断に至ったのは推進薬の燃焼速度を予測するプロセスに問題があったためだとされています。飛行再開フライトにあたる2号機以降の打ち上げに向けた対策として、問題があった推進薬燃焼速度の予測プロセスの改善と、初号機では厳しめに設定されていた飛行正常範囲の設定見直しを講じたと同社は発表しています。

関連画像

参考画像:スペースポート紀伊で日本時間2024年3月13日11時1分に発射された「カイロス」初号機。テレビ和歌山のライブ配信から(Credit: テレビ和歌山/スペースポート紀伊周辺地域協議会)
【▲ 参考画像:スペースポート紀伊で日本時間2024年3月13日11時1分に発射された「カイロス」初号機。テレビ和歌山のライブ配信から(Credit: テレビ和歌山/スペースポート紀伊周辺地域協議会)】
「カイロス」2号機に搭載されるペイロードの概要。スペースワンが2024年8月に開催した記者会見の配布資料から引用(Credit: スペースワン)
【▲ 「カイロス」2号機に搭載されるペイロードの概要。スペースワンが2024年8月に開催した記者会見の配布資料から引用(Credit: スペースワン)】
スペースワンの「カイロス」ロケット2号機に搭載されるペイロード。テラスペース株式会社の「TATARA-1」と、超小型衛星を収めた放出機構が写っている(Credit: スペースワン)
【▲ スペースワンの「カイロス」ロケット2号機に搭載されるペイロード。テラスペース株式会社の「TATARA-1」と、超小型衛星を収めた放出機構が写っている(Credit: スペースワン)】

 

Source

  • スペースワン - プレスリリース: カイロスロケット2号機の打上げ時間について

文・編集/sorae編集部

#スペースワン #カイロス #スペースポート紀伊