
有名なオリオン座の一等星「ベテルギウス(α Orionis)」。
その未発見の伴星を検出したかもしれないとする研究内容を、NSF NOIRLab=アメリカ国立科学財団の国立光学・赤外天文学研究所が2025年7月21日付で紹介しています。
予測された位置で何らかの天体を検出
誕生してから約1000万年が経ったとされるベテルギウスは、赤色超巨星の段階まで進化した大質量星であり、周期的に明るさを変える変光星でもあります。
いずれ超新星爆発を起こすと予測されていることから、2019年~2020年にかけての大幅な減光はその予兆ではないかと話題になりました。
ベテルギウスの主な変光周期は約400日ですが、それとは別に約6年の周期でも明るさが変わることが知られており、その原因は未発見の伴星によるものではないかと以前から指摘されていました。
NOIRLabによると、NASA=アメリカ航空宇宙局エイムズ研究センターの上級科学研究員Steve Howellさんを筆頭とする研究チームが、ハワイにある「ジェミニ北望遠鏡」の観測装置「‘Alopeke」(※)を使って2020年2月と2024年12月にベテルギウスを観測し、データの分析を行いました。
その結果、予測されていた伴星の推定位置付近で、2024年の観測では何らかの天体が検出されていたことがわかりました。ちなみに2020年の観測時点では、伴星は地球から見てベテルギウスの向こう側にあったと予測されています。

追加観測での確認に期待
この天体の性質を調べた研究チームは、質量が太陽の約1.6倍で、ベテルギウスよりも6等級暗い前主系列星(主系列星の前段階の恒星)の可能性があると考えています。
ただし、これまでに得られた結果は技術的な限界によって信頼度があまり高くはないため、研究チームは今後の追加観測で伴星の検出を試みることで、今回の結果が検証されることに期待しています。
地球から見た伴星がベテルギウスから最も離れる(最大離角)次のタイミングは、2027年11月になると予測されています。ベテルギウスに伴星が存在するのかどうかは、この時の観測によって確認できるかもしれません。
なお、Howellさんたちの論文は2025年7月24日付でThe Astrophysical Journal Lettersに掲載されます。当サイトではその後に詳細な解説記事を掲載する予定です。
※…ハワイ語で「キツネ」の意味。観測した天体の画像を極めて短い露光時間で多数取得し、処理を行うことで、地球の大気によるゆらぎの影響を受ける地上の望遠鏡でも高い解像度のデータが得られる「スペックル・イメージング」と呼ばれる手法を用いた観測装置。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
関連記事
参考文献・出典
- NOIRLab - Gemini North Discovers Long-Predicted Stellar Companion of Betelgeuse
- Howell et al. - The Probable Direct-Imaging Detection of the Stellar Companion to Betelgeuse (arXiv)























