QPS研究所の小型SAR衛星「ワダツミ-I」初画像公開 久留米市を観測

日本企業の株式会社QPS研究所は2025年6月9日、同社の小型SAR(合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR 10号機」、愛称「ワダツミ-I」で取得した初画像を公開しました。

高精細モードで取得した福岡県久留米市の画像を公開

ワダツミ-Iはアメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで日本時間2025年5月17日17時17分に打ち上げられ、その翌日となる日本時間2025年5月18日夕方には収納型アンテナの展開に成功していました。QPS研究所の衛星で打ち上げに成功したのはワダツミ-Iが8機目となります。

今回公開されたのは分解能46cmの高精細モードで取得された画像で、福岡県久留米市を観測したものとなります。観測が行われたのは日本時間2025年6月6日4時17分、観測時の天候は晴れでした。

地球上の任意の地点を平均10分間隔の“ほぼリアルタイム”で観測することを目指すQPS研究所は、36機の小型SAR衛星で構成された衛星コンステレーション(※)の構築を進めています。

同社の大西俊輔CEOは「軌道投入後の初交信、アンテナ展開、そして今回のファーストライトと回を重ねるごとに、衛星の性能と運用の精度が上がり、経験と知見が着実に積み重なっていることを実感します」「私たちが目指す衛星コンステレーション※3の実現に向けて、引き続き進めてまいります」とコメントしています。

※…地球観測や通信サービス提供などを連携して行うための人工衛星群のこと。

関連画像・映像

QPS-SAR 10号機「ワダツミ-I」の合成開口レーダー(SAR)で日本時間2025年6月6日4時17分に取得した福岡県久留米市の様子
【▲ QPS-SAR 10号機「ワダツミ-I」の合成開口レーダー(SAR)で日本時間2025年6月6日4時17分に取得した福岡県久留米市の様子(Credit: QPS研究所)】
花畑駅周辺の拡大画像。線路の架線柱や電話局の鉄塔なども確認できる
【▲ 花畑駅周辺の拡大画像。線路の架線柱や電話局の鉄塔なども確認できる(Credit: QPS研究所)】
農地に立つ鉄塔の拡大画像。電線も確認できる
【▲ 農地に立つ鉄塔の拡大画像。電線も確認できる(Credit: QPS研究所)】
久留米総合スポーツセンター付近の拡大画像。陸上競技場や久留米市野球場などが確認できる
【▲ 久留米総合スポーツセンター付近の拡大画像。陸上競技場や久留米市野球場などが確認できる(Credit: QPS研究所)】
QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと10号機「ワダツミ-I」のミッションマーク
【▲ QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと10号機「ワダツミ-I」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典



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