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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)

NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」は、日本時間1977年8月20日23時29分44秒、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地(現在のケープカナベラル宇宙軍基地)第41発射施設から「タイタンIIIEセントール」ロケットで打ち上げられました。

2026年8月20日は、ボイジャー2号が地球を旅立ってから49周年にあたります。

NASAのジェット推進研究所(JPL)で打ち上げ準備中の惑星探査機「ボイジャー2号」。1977年3月23日撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ NASAのジェット推進研究所(JPL)で打ち上げ準備中の惑星探査機「ボイジャー2号」。1977年3月23日撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

グランドツアー構想

外惑星を巡る宇宙ツアーを描いたポスター「The Grand Tour」(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ 外惑星を巡る宇宙ツアーを描いたポスター「The Grand Tour」(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ボイジャー計画の背景には、木星以遠の惑星が約176年に一度の探査に適した配置になる機会を利用して、複数の外惑星を連続して巡る「グランドツアー」構想がありました。

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1965年、当時カリフォルニア工科大学の大学院生としてNASAのJPL(ジェット推進研究所)で研究していたゲイリー・フランドロ氏が、この惑星配置を利用できることを見いだしました。惑星の重力を利用して探査機の進行方向や速度を変える「重力アシスト」を繰り返すことで、少ない推進剤で木星、土星、天王星、海王星へ到達できるという構想です。

当初のグランドツアー計画は費用などを理由に縮小されましたが、その考え方はボイジャー計画に受け継がれました。ボイジャー2号は1979年7月に木星、1981年8月に土星、1986年1月に天王星、1989年8月に海王星をフライバイし、結果として4つの巨大惑星を巡るグランドツアーを実現しました。

ボイジャー2号が撮影した海王星(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ ボイジャー2号が撮影した海王星(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ボイジャー2号は天王星で10個の新たな衛星と2本の環を発見し、海王星では巨大な嵐「大暗斑」を観測しました。また、海王星最大の衛星トリトンでは、窒素ガスや塵を噴き上げる噴出現象も捉えています。

天王星と海王星を間近で観測した探査機は、現在もボイジャー2号だけです。海王星の観測後は、太陽系の外縁部や星間空間を調べる「ボイジャー星間ミッション」に移行し、2018年11月5日には太陽風が作り出す領域「太陽圏」の境界を通過しました。これによりボイジャー2号は、ボイジャー1号に続いて星間空間へ到達した2機目の探査機となりました。

ボイジャー1号(白)とボイジャー2号(オレンジ)の飛行経路を示した図(Credit: NASA/JPL-Caltech)
【▲ ボイジャー1号(白)とボイジャー2号(オレンジ)の飛行経路を示した図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ボイジャーはいまどこに?

2026年8月現在、ボイジャー2号は地球から約214億km離れた場所を飛行しています。この距離は光でも片道約20時間かかるため、地球から送った指令が探査機へ届き、その応答が地球へ戻るまでには約40時間を要します。

なお、星間空間へ到達したことは、太陽の重力が及ぶ「太陽系」そのものを脱出したことを意味するわけではありません。太陽系の外縁には、無数の小天体が分布すると予測されている「オールトの雲」があり、その内側の縁に達するまでに約300年、外側へ抜けるまでには約3万年を要すると考えられています。

電力を絞り出して寿命を延ばす

約半世紀にわたる飛行を支えているのは、プルトニウム238の崩壊熱を電力に変換する3基の放射性同位体熱電発電機です。ただし、プルトニウム238の放射性崩壊や発電装置の経年劣化によって、供給できる電力は毎年約4Wずつ減少しています。このためNASAは、ヒーターや観測装置を段階的に停止してきました。

ボイジャー2号には、打ち上げ時に10基の観測装置が搭載されました。惑星フライバイに使用された装置はすでに停止しており、2024年9月にはプラズマ科学装置、2025年3月には低エネルギー荷電粒子観測装置の運用も終了しました。2026年8月現在は、宇宙線サブシステム、磁力計、プラズマ波サブシステムの3基が稼働しています。

NASAはこの電力事情をさらに改善する作業に踏み込みました。「ビッグバン」と呼ばれる作業では、電力を消費する一部の機器を停止すると同時に、より消費電力の少ない機器へ切り替えます。探査機が動作を維持できる温度を保ちながら、消費電力を抑える難しい作業です。NASAは事前に電力や温度への影響を確認した上で切り替えを実施し、2026年8月4日に成功を発表しました。

作業を実施しなければ、2026年末までに観測装置をさらに1つ停止する必要がありましたが、今回確保された電力により、稼働している3基の観測装置を少なくとも約1年長く運用できる見通しです。NASAは同じ切り替えを、より地球から遠いボイジャー1号に対しても数か月のうちに行う計画だとしています。

地球からのメッセージを載せて

図28:異星人へのメッセージが収録されたゴールデンレコード。115枚の画像がコードとして記されているほか、雷、鳥のさえずりなどの自然音、各国言語による挨拶、さまざまなジャンルの音楽などが録音されています。1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャー1、2号に搭載されました。(Credit: NASA/JPL)
【▲ ボイジャー1号と2号に搭載された「ゴールデンレコード」(Credit: NASA/JPL)】

ボイジャー2号には、地球の自然や文化を伝える「ゴールデンレコード」も搭載されています。レコードには115点の画像をはじめ、雷や風、鳥のさえずりなどの自然音、55の言語によるあいさつ、さまざまな時代や地域の音楽が収められています。収録内容を選定したのは、NASAの依頼を受け、天文学者のカール・セーガンが委員長を務めた委員会です。

打ち上げから49年を迎えた現在も、ボイジャー2号は地球との通信を維持しており、太陽圏の外側に広がる星間空間で取得した磁場やプラズマ波などの観測データを地球へ届けています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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