
NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年9月29日付で、アメリカ企業Blue Origin(ブルー・オリジン)が開発中の大型ロケット「New Glenn 9x4(ニューグレン9x4)」の打ち上げサービスを、打ち上げ調達契約のひとつ「NLS II(NASA Launch Services II)」に追加したと発表しました。
従来型を強化・大型化したNew Glennの新バージョン
New Glenn 9x4は、Blue Originが2025年11月に開発を発表したNew Glennシリーズの大型版です。名称の「9x4」は、「9」がブースター(1段目)の、「4」が上段(2段目)のエンジン数を示しています。同じ規則に従い、すでに飛行実績のある従来型は「7x2」と呼ばれています。

Blue Originによると、New Glenn 9x4の打ち上げ能力は地球低軌道へ70トン以上(従来型は45トン)、月遷移軌道(月へ向かう軌道)へ20トン以上で、フェアリング(打ち上げ時に搭載物を保護するカバー)の直径は8.7m(従来型は7m)です。
従来型のNew Glenn 7x2と新型のNew Glenn 9x4は並行して運用される予定で、2026年8月にはBlue Originがケープカナベラル宇宙軍基地第36発射施設でNew Glenn 9x4用の射点「LC-36B」の建設を進めていることを発表しています。
NLS IIとはどんな契約?
NLS IIは、NASAが探査機や衛星の打ち上げを民間企業から調達するための契約の枠組みで、リスクの許容度が低いミッションの打ち上げを調達する主な手段とされています。
NASAのLSP(打ち上げサービスプログラム)によると、複数の種類のロケットを確保してミッションに最適な機体を選べるようにすることで、事業者間の競争による価格競争力も確保されています。
NASAによれば、前述のNLS IIには新たな事業者が将来のミッションを巡る競争に加わる機会を毎年設け、既存の契約企業が未登録のロケットを追加することも認めるオンランプ条項があります。従来型のNew Glenn 7x2は2020年12月にNLS IIへ追加されており、今回は新型のNew Glenn 9x4が追加された形です。
従来型と新型で射点の運用方式を統一へ
一方、New Glennを巡っては、アメリカの現地時間2026年5月28日に燃焼試験中の爆発事故が発生。従来型の射点となっている「LC-36A」は鉄塔が倒壊するなどの被害を受けました。
Blue OriginのCEOを務めるDave Limp氏は、2026年内にNew Glenn 7x2の飛行再開を目指すとともに、元の射点をそのまま再建するのではなく、New Glenn 9x4向けに開発していた運用方式へ移行すると表明。ブースターと上段を水平の状態で結合・移動し、射点で垂直に立ててから搭載物を取り付ける方式に変更するとしています。
NASAが将来の月・深宇宙ミッションなどで打ち上げを調達する際の新たな選択肢となるNew Glenn 9x4ですが、まずは従来型のNew Glenn 7x2の飛行再開が注目されます。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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