
アメリカ企業Blue Origin(ブルー・オリジン)は2025年11月20日付で、同社の「New Glenn(ニューグレン)」ロケットのアップグレード計画を発表しました。
New Glennとは

New GlennはBlue Originが開発した2段式液体燃料ロケットです。
ブースター(1段目)は最低でも25回の再使用が可能な設計で、推進剤に液化天然ガス(LNG)と液体酸素を採用した同社の「BE-4」エンジン7基と着陸脚を搭載。上段(2段目)は推進剤に液体水素と液体酸素を採用した同社の「BE-3U」エンジン2基を搭載しています。
全長は98mで、打ち上げ時にペイロード(搭載物)を保護するフェアリングの直径は7m。打ち上げ能力は低軌道(LEO)に45トン、静止トランスファー軌道(GTO)に13トンとされています。
New Glennの初飛行は2025年1月で、これまでに2回飛行しています。日本時間2025年11月14日に打ち上げられた2号機は、NASA=アメリカ航空宇宙局の「ESCAPADE」ミッションの探査機2機の軌道投入と、ブースターの回収船への海上着陸に成功しました。

アップグレードは従来型強化&新型開発の2本立て
今回発表されたNew Glennのアップグレード計画は、従来型の強化策と、大型化した新型ロケット「New Glenn 9x4」の開発に分かれています。
従来型のNew Glennロケット強化策では、主にエンジンの高性能化が図られます。これにより、ブースターのBE-4エンジン7基の合計推力は約15%(1万7219kN→1万9928kN)、上段のBE-3Uエンジン2基の合計推力は約25%(1423kN→1779kN)、それぞれ増加するとしています。

こうしたエンジンの性能アップに加えて、再使用可能なフェアリング、低コスト化した燃料タンク、再使用までの期間短縮に寄与する高性能かつ再使用可能な熱防護システムといった追加のアップグレードも計画されていて、次の打ち上げミッション「NG-3」から段階的に導入していくということです。
また、新たに開発されるNew Glenn 9x4は、ブースターのエンジンが7基から9基に、上段のエンジンが2基から4基に増加し、フェアリングの直径は7mから8.7mに大型化。打ち上げ能力は低軌道に70トン以上、静止トランスファー軌道に14トン以上、月遷移軌道に20トン以上とされています。

新型のNew Glenn 9x4は従来型を置き換えるのではなく、同時に運用されるということです。なお、新型New Glennの名称末尾に付与された「9x4」はブースターと上段のエンジン数を示しており、今回の発表では従来型を同じルールに従って「7x2」とも表記しています。
Blue Originは打ち上げ能力が異なる2タイプのNew Glennを投入することで、衛星コンステレーション、月・深宇宙探査、国家安全保障といった様々な需要に応じた、より多くの打ち上げオプションを顧客に提供できるようになると見込んでいます。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部























